米アドビ、電子フォームを強力に推進する新ソフト

 パブリッシングソフトウェアの大手である米Adobe Systemsは、米Microsoftが登場させるInfoPath製品を意識した、新しい電子フォームアプリケーションを発表する予定だ。

 Adobeが来年発表を計画している製品は、まだ名前がついていないが、これは同社の開発したPDF(Portable Document Format)と、ウェブサービスの進展に伴って急速に普及を遂げているXML(eXtensible Markup Language)とを組み合わせて使い、企業が双方向的な電子フォームを作成・配布できるようするもの。

 XMLのサポートにより、同ソフトウェアによって設計されたフォームのデータを、企業データベースや顧客管理システムのようなバックエンドのソフトウェアに自動的に取り込むことが可能となり、紙ベースの書式に付きものの費用がかさむデータ再入力が不要となる。

 Microsoftは、自社のInfoPathについて似たような利点を主張している。InfoPathは、劇的に内容を一新し、ここ数カ月のうちに発表される予定のMicrosoft Officeに含まれるソフトウェアの1つである。これまで「XDocs」というコードネームで呼ばれていたInfoPathは、XMLベースのフォームを作成し、それをバックエンドソフトウェアに取り込んで、データ交換と配信を自動化する。

 Adobeが開発中の製品で大きく異なる点のひとつは、広く普及しているPDFフォーマットに依存する点だ。PDFファイルは、無料のAdobe Readerソフトウェアがインストールされているデバイスなら、どんなものででも読み取り可能である。いっぽう、InfoPathのフォームは、同アプリケーションを買った人しか利用できない。

 「ドキュメントの一貫性と、広く普及しているソフトウェアを使用するという観点から、われわれはXMLの利点とPDFの長所を組み合わせているといえる」と、AdobeのePaper部門責任者のMarion Melani。「システムからシステムへのデータのやりとりは単なるXMLファイルだが、ドキュメントを使用するする際には、PDFのすべての利点を活用できる」(Melani)

 電子フォームの積極的な活用を考えている役所にとって、無料のPDF Readerを使用することは特に重要だと、Melaniは説明する。「政府としては、必要性があるからといって市民にソフトウェアの購入を求めることはできない。フォームへの記入は当人に負担がかかるが、その点PDFはなら余計な出費を心配する必要はない」(Melani)

 しかし、InfoPathには広く普及しているMicrosoftのWordに統合されているという利点があると、Forrester Researchアナリスト、John Daltonは指摘した。

 新しいAdobeソフトウェアには、既存のPDFフォームにXML機能を追加できる簡単なツールも付属する。多くの金融機関や政府機関などが、最終的には書面に印刷することになるフォームの電子配布に、PDFを使用している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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