チップメーカーの米Intersilとカナダのベンチャー企業Vixsの2社は、ビデオのワイヤレス配信に関する明確な将来像を家電メーカーに提供するため、共同で取り組んでいくと発表した。
IntersilとVixsの2社は6月30日(米国時間)、ワイヤレスネットワークを介した動画送信技術の改善に向けて、共同で開発者をサポートしていくと発表した。両社は、消費者向けの新しいワイヤレス製品で使われるチップとソフトウェアのセットを開発する技術を共有することになる。
ワイヤレスネットワークによりユーザーは、物理的に接続することなく、プリンターやブロードバンド接続などのリソースを共有し、また端末間で電子メールやファイルをやり取りできる。PCおよび家電メーカーは、消費者の間で高まりつつあるワイヤレスネットワークへの関心に乗じて、新しい世代のワイヤレス製品を提供しようとしている。
PC・家電大手17社は先週、Digital Home Working Group(DHWG)を発足させ、家庭でのワイヤレス・ネットワークやその他の製品を推進するガイドラインを設定していくと発表した。これは、ワイヤレスという新分野の製品を共同で開発し、PCや家電製品の売上を押し上げたいという各社の思惑を示すものだ。
IntersilとVixsは、これらの企業に対して、ワイヤレスネットワーク上でビデオを配信できるソフトウェアとチップの提供を狙う。両社は現在、802.11g標準をベースとした設計を開始している。
「現在のネットワークはビデオの配信に適していない。帯域幅と遅延という問題があるからだ」と、Vixsのマーケティング・ディレクター、Ciricia Proulxは言う。「だが、ビデオストリーミングは、家電製品を介したマスマーケットのチャンスと見られている」(Proulx)。
DVDやHDTV(High-Definition Television)のようなデジタルビデオのコンテンツは、さまざまなフォーマットの大容量ファイルからできていることが多い。端末となる機器は各フォーマットを理解しなければならないため、再生が難しく、さらにはファイルのサイズが大きいため、苦痛を伴うほど転送速度が遅い。
Proulxは、IntersilとVixsが開発中のソフトウェアとチップは、安全性と帯域幅の配慮しながら、ネットワークがビデオコンテンツを特定の再生機器に配信するのに最適な方法を決定すると説明している。
両社の技術を搭載した最初の製品は、年内にアジア市場で提供される予定だ。Proulxによると、両社はすでに、日本および韓国の家電メーカーと作業を進めていると言う。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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