米国電気電子学会(IEEE)の標準諮問委員会が、無線LAN規格IEEE 802.11gを承認した。IEEEが米国時間6月12日に明らかにしたもの。
802.11gは2.4GHz帯を使って、54Mbpsの通信速度を実現する。現在普及している802.11bと互換性があるため、両規格が混在するネットワーク上でリソースの共有が可能となる。
無線業界では、802.11gドラフト版を用いた製品が既に市場に出回っており、動作の安定性が実証されているいることから、IEEEの承認が形式だけのものなると予測していた。同規格はこの後、無線LAN製品の相互接続性を確認する業界団体Wi-Fi Allianceによる認定を受ける必要がある。しかし、テストは既に開始されており、今後数カ月で完了する見通しだ。
「標準化は、無線LAN向け機器とLSIの大量生産を促進する。企業独自の技術では、そうはいかない」(米In-Stat/MDRのアナリストのAllen Nogee)
米国の調査会社Dell'Oro Groupによると、802.11gは標準の承認を受ける前から、無線ネットワーク機器市場の成長に貢献している。ドラフト版に準拠した製品は、第1四半期における無線ネットワーク機器の総売上高の16%、総出荷台数の17%を占めている。なお、第1四半期の世界における無線ネットワーク機器の総売上高は前期比1%増の4億100万ドル、総出荷台数は同6%増の480万台と、増加傾向にある。
これまで、米Hewlett-Packard(HP)や米Microsoftなど、慎重を期す大企業は、他社製品との相互接続性の問題を懸念して、ドラフト版をベースにした製品開発を躊躇していた。しかし、標準承認によりこの問題は解決し、企業向け製品の開発に拍車がかかるだろう。
またIEEEは同日、後継規格となる802.11nの策定に向けて、対象市場や需要を調べるためのワーキンググループを非公式に設立した。802.11nの通信速度は未定だが、少なくとも100Mbpsになるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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