米Oracleが20日(米国時間)に開いた電話会議のなかで、同社エグゼクティブ・バイスプレジデントのChuck Phillipsは、Oracleが集めたPeopleSoftの株式数は「少数」であることを明らかにした。同氏はまた、1株当たり19.5ドルという現在の買収提示額を引き上げる「理由は見当たらない」とも述べた。「PeopleSoftの経営陣が次の手段に出るまで、現時点で行うべきことはない」。
Oracleは6月6日、1株当たり16ドルを提示して、敵対的買収に乗り出した。その後18日にはこの買収提示額を19.5ドルに引き上げた。一方のPeopleSoftは同じ20日、Oracleが新たに示した買収提示額に拒否を示している。
Phillips氏はCNET News.comに対し、これまで同社に託された株式数が少数である理由として、「取引確定のための主要な条件--買収コストを高くする買収防衛策、ポイズンピル(毒薬)の履行が解除されない限りは、多くの人にとって株式を託す意味はあまりないため」と述べた。
だが、代理人は、買い手が公開株式の50%以上を集め、それを利用してターゲット企業がポイズンピルや株主権利プランを解除するようプレッシャーをかけるだろうと見ている。PeopleSoftの株主権利プランでは、買収側が同社の発行済み株式の20%以上を入手すると、同社では株式価値を希薄化するために、大量の新株式を発行することになっている。
Oracleは、PeopleSoftの株主が株式を託す期間を7月7日までとしており、さらに延長の可能性もあるという。
Chuck Phillipsは、Oracle入社前はMorgan Stanleyの花形ソフトウェアアナリストだった。その後同氏がOracleに入社し、CEOであるEllisonのアドバイザーとしてエグゼクティブ・バイスプレジデントの座に就いて1カ月もたたないうちに、OracleはPeopleSoftへの買収を提案した。
PeopleSoftからの買収に応じているJ.D. Edwardsは、EllisonおよびPhillipsの行為が「産業スパイ行為」であるとして、訴訟を起こしている。OracleがPeopleSoftに買収を持ちかけたのは、J.D. EdwardsとPeopleSoftの合併が明らかになった数日後のことだった。PeopleSoftとJ.D. Edwardsが合併すれば、SAPに次ぐ世界第2位のビジネスアプリケーションベンダーが誕生することになる。Morgan StanleyはPeopleSoftと合併交渉においてJ.D. Edwards側の代表となっており、J.D. Edwardsの主張は、Philipsはこの合併についての内部情報を使い、Oracleを助けたというもの。
それに対し、Philipsは「ばかげている」とし、この主張に対抗する証拠はいくつでもあると述べている。また同氏は、Oracleへの入社は買収のためかという問いに対しても、これを否定し、入社時に仕事内容の取り決めは特になかったし、Oracleが今回の買収を発表したときは、仕事内容を決めている途中だったと答えた。
また、20日にEllisonは、PeopleSoftの幹部を非難するコメントを発表した。PeopleSoftの幹部は、OracleがPeopleSoft製品を打ち切り、Oracleへの移行を強要すると自社の顧客に「嘘をついて脅す戦略」をとっているというもの。「少なくとも今後10年間は、PeopleSoftの製品開発を続行する」(Ellison)とし、この期間は延長の可能性もあるという。Philipsも、20日の電話会議で、OracleはPeopleSoft製品を強化するとし、アウトソーシングオプションの提供も含め、現行のサポートを拡張する方針を明らかにした。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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