米Oracleが米国時間6月9日に、米PeopleSoftの株式公開買い付けを開始した。期限は7月7日。しかし、Oracleが米国時間6月9日に米証券取引委員会(SEC)に提出した書類によると、同社は期限の延長を見込んでいるという。
OracleがPeopleSoftに対して、総額51億ドルの敵対的買収を提案したのは6月6日。PeopleSoftが米J.D. Edwardsを17億ドルで買収することを発表してからわずか数日後の出来事だ。
Oracleの申請書類によると、同社がPeopleSoftと「アプリケーション事業を合併する可能性」について、交渉を開始したのは2002年6月5日だという。この時の話し合いは「ごく一般的なもの」(Oracle)で、評価額などは協議しなかった。しかし数日後、「両社が互いに合意する決定に達しなかったため、合併の話は中止となった」(同社)という。
そして約1年後、OracleはPeoleSoftの取締役会に株式公開買い付けを通知する手紙を送付した。
Oracleは今回SECに提出した書類の中で、PeopleSoftの取締役会に「ポイズンピル(買収対象となる企業が低価格で株式を放出し、発行済み株式の量を増やして買収総額をつりあげ、買収を断念させる手段)」などを講じないよう求めている。
PeopleSoftの経営最高責任者(CEO)のCraig Conwayは、今回の買収提案を「悪名高い企業のきわめて不快な行動だ」と切り捨てている。さらに、PeopleSoftと合併で合意したJ.D. Edwardsは「Oracleの敵対的買収計画は、PeopleSoftとJ.D. Edwardsの合併遂行にいかなる影響も与えない」(J.D. Edwardsの経営最高責任者、Bob Dutkowsky)と語る。
Dutkowskyは「Oracleの買収計画が成功すれば、Oracleにとってライバル企業の1つが消えると同時に、顧客にとっては選択肢が減り、明らかな損失となる」と述べる。ちなみにOracleは買収が成立した場合、「新規顧客へのPeopleSoft製品の積極的な販売は行わない」(Oracle)と明言している。
Oracleは買収に備えて60億ドルの現金を手元に準備している。ただし、「他の企業からPeopleSoft買収の申し出があった場合は、買収を撤回する可能性がある」(同社)という。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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