米Oracleは米国時間6月6日、米PeopleSoftを51億ドルで買収する計画を発表し、PeopleSoftを驚愕させた。
Oracleの買収計画発表を受けて、アナリストの間では「米IBM、ドイツのSAP、米Microsoftなどが救済企業として名乗り出る」との噂が独り歩きしている。米Robert W. Baird & Co.のアナリスト、Patrick Snellは「PeopleSoftをめぐって、これら3社による買収合戦が起きる可能性がある」と語っている。実際、IBMは2003年Q1決算において55億ドル以上の現金等価物があり、さらにPeopleSoftが買収を発表したJ.D. Edwardsとは長期にわたる販売契約を結んでいるからだ。
一方、アナリストの中には「買収劇に第三者の企業がからんでくる可能性はごくわずか」と考える者もいる。米AMR Researchのアナリスト、Bruce Richardsonは「IBMが助け舟を出す可能性はない」と断言する。「IBMはアプリケーション市場で成功を収めていない。提携先のJ.D. Edwardsからの収入を逃したくはないだろうが、それでも買収劇にからんでくるとは想像できない」(Richardson)
米W.R. Hambrechtのアナリスト、Richard PetersenはRichardsonの意見に賛成した上で、「他に立候補があるとすれば、SAPだけだ」と語る。「SAPはPeopleSoftを買収することで、専門外の製品から利益を得られるようになるからだ」(Petersen)
PeopleSoftは今回の買収提案に対して、「ポイズンピル」と呼ばれる方法でOracleの敵対的買収提案を阻止する構えだ。ポイズンピルは、買収対象となる企業が低価格で株式を放出し、発行済み株式の量を増やして買収総額をつりあげ、買収を断念させるという手段である。
PeopleSoftはOracleの提案を正式に拒否してはいないものの、PeopleSoftの最高経営責任者(CEO)、Craig Conwayは「悪名高い企業が卑劣な行為を行った」として、Oracleによる株式公開買い付けをはねつける構えを見せている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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