企業向けアプリケーション大手の独SAPは27日、スウェーデンのデータベースメーカーMySQLとオープンソースデータベース開発で提携したと発表した。
MySQLのCEO(最高経営責任者)Marten Mickosは、同社のデータベースソフトに、より高度な機能を追加するのに当初は4年かかると見ていたが、今回の提携により2年以内に達成できる、と述べた。
さらに今回の提携は、Microsoft、Oracle、IBMといった大手のライバル企業にとっても、ある程度のプレッシャーを与える。SAPの力を借りることで、MySQLの開発能力が高まり、いずれ競合企業の市場を脅かすのに十分な性能を持つオープンソースのデータベース製品が出現する可能性もあるためだ。
SAPは会計や在庫管理といった中核業務の管理ソフトを販売しており、これまでは主に大企業の間で人気を獲得してきた。しかし現在同社は顧客層を中小企業にまで拡大する取組みを進めており、その一環として同社のオープンソース・データベース「SAP DB」を組みこんだ製品の販売を開始した。この製品を購入すればOracleなど他企業のデータベース製品を購入しなくても済むというわけだ。
MySQLは、SAPとのクロスライセンシング(特許の相互使用)契約に基づき、今後SAP DB開発の大部分を引き受けると共に、MySQLデータベースを改善するためのモデルとして、同プログラムの設計を使用していく。一方SAPは同社製品に組み込むデータベースを、SAP DBから徐々に新しいMySQLデータベースに取り替えていくという。
Mickosは、この契約によりMySQLはSAPからロイヤリティを受け取ると語ったが、提携の詳細な金銭的条件については明らかにしなかった。
SAPによると、MySQLの新データベースは将来的にSAPの主力製品であるR/3でも使用できるようになる可能性もあるという。
IDCのアナリストCarl Olofsonは、MySQLのデータベースは一定量の情報保存業務には適しているが、多くの人々が同時に使用する大掛かりな業務には適していないと語り、今回の提携によりMySQLは資産を大幅に増やす可能性があると指摘する。
「両社がこの分野ですべきことはまだ沢山ある。SAPが持ついくつかの技術を使えばMySQLデータベースの高度化をさらに早めることも可能だ」(Olofson)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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