一段とパワーアップした新世代ファイル交換ソフトが大人気

 新世代のPtoPツールがインターネットで人気を博している。ユーザー同士でファイル交換が気軽に行えるPtoPツールの普及により、オンラインでの著作権侵害を防ぎたい映画会社にとっては、受難の時代が訪れることになりそうだ。

 新世代のPtoPツールとして名高いのは、eDonkeyやBitTorrentなど。これらのファイル交換ツールの大半は、映画ファイルなどの大容量ファイルを効率的かつ高速で送受信できる点が特長だ。その中には開発に何年もの歳月を費やしたツールもあるが、それらは今、ようやく日の目を見た。ファイル交換の世界で影響力を高めつつあるのだ。

 著作権保護団体は、「これらの新たなPtoPツールは、かつてNapsterが行ったファイル交換サービスの次世代ツールとして、最終的には著作権侵害行為に悪用されてしまう」と語っている。

 米BayTSPは、映画会社/レコード会社の代わりにファイル交換ネットワークの監視を行っている会社であるが、同社の最高責任者Mark Ishikawaは、「人々は取り付かれたようにダウンロードを行っている」と語っている。「今や、eDonkeyの人気はGnutellaのそれを抜きつつある。やがて、KaZaAやGrokSterで利用されているFastTrackさえも追い抜いてしまうだろう」(Ishikawa)

 新世代PtoPツールは従来のものと似たような設計がなされており、開発は個人や小規模なプログラマーチームで行っていることが多い。彼らは従来のPtoPソフトウェアの欠点を補うという点に注力して開発を行っている。

検索をより効率的に

 例えば、eDonkeyは主にプログラマーのJed McCalebが開発したPtoPツールだ。同氏が当初考えていたのは、Napsterやその後継ツールにあるようなネットワーク検索機能を持ちながら、ファイルの検索・配布をより効率的に行なうツールだった。最終的に出来上がったeDonkeyは、これまでのファイル交換サービスと比べて、主に2つの点が異なっている。

 1つめの違いは、検索の分散化に関するものだ。ファイルをネットワークで共有する場合、eDonkeyでは、ファイルに対してその特性に基づいた「ハッシュ識別子」を割り当てる。ネットワーク上のパソコンに割り当てられたアドレスをインデックスとして利用するため、検索が効率化されるという。

 例えば「Radiohead」や「Madonna」などを検索する場合、Gnutellaなどの分散システムでは、これらのファイル、あるいは類似ファイルの検索を各ノードに問い合わせていた。eDonkeyでは、このカテゴリーのファイル保管場所を一時的に管理するパソコンに向けて直接問い合わせるため、より素早い応答が返されることになる。

 2つめの違いは、ファイルを細かく分割し、1つずつ配布できるようにしている点だ。これは従来のシステムと最も大きく異なる特徴だ。ユーザーがこれらのファイルをダウンロードし始めると同時に、ネットワーク全体にファイルを配信できる。つまり他のユーザーに映画を提供する場合でも、ファイルをあらかじめ丸ごとダウンロードする必要がない。

 McCalebは、これまで数年間にわたって、eDonkeyをバージョンアップしてきたが、「特にここ数カ月間の欧州での人気はすごい」(McCaleb)と語る。ちなみに、eDonkeyのダウンロード件数はすでに5000万件近くに達しているが、同氏によれば、これはバージョンアップを頻繁に行った結果だという。「実際にソフトウェアを試したユーザーはおよそ800万人だろう」(McCaleb)

 一方、オープンソース・コミュニティ内で、過去数カ月間にeDonkeyを上回る普及ペースを示したPtoPソフトが存在する。それは、サンフランシスコ在住のプログラマーBram Cohenが開発したBitTorrentだ。

 BitTorrentは大容量ファイルを効率的に配布するためのツール。ただし、Napster、KaZaA、eDonkeyとは異なり、ファイルの検索より配布に重点を置いている。同ツールの支持者は「検索機能は劣るが、そのぶん高速化でカバーしている」と語っている。

 BitTorrentはウェブブラウザのバックグラウンドで動作する。例えばソフトウェア会社がファイルを配信したい場合は、「トラッカー(tracker)」というウェブサイトを設定する必要がある。トラッカーはファイル要求を記録し、そのファイルを提供する側のユーザーに要求を転送する下位サーバの役目を果たす。eDonkeyと同様、BitTorrentはファイルをビット単位で分割するため、ファイルを要求するユーザーが多ければ多いほど、ダウンロード時間が短縮することになる。

 このBitTorrentの技術は、映画の海賊版を入手するためのものではない。本来は、例えばオープンソース提唱者がRed Hat Linuxの最新リリースを配布することなどに利用するものだ。しかし、オンラインでの不正な配布手段として、BitTorrentに目を付ける人々も存在する。すでに多くの人気ウェブサイトでは、BitTorrentを利用して、映画、TV番組、ゲーム、音楽などへのリンクを提供している有様だ。

 米映画協会(MPAA)の幹部はこれら新世代のファイル交換技術について、「脅威といわざるをえないが、IPアドレスでユーザー識別が可能なため、著作権違法行為は引き続き追跡できる」としている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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