Googleは、ブラウザを開発している他社と同じように、コンピュータのグラフィックスハードウェアの力を利用した自社製ブラウザの高速化を急いでいるが、その機能は「Chrome 9」まで待たなければならないようだ。
Googleは米国時間10月12日の早朝、将来的に「Chrome 8」の作業となるコードを枝分かれさせて、「Chrome 7」の安定版リリースに向けたバグ解消に入ったことを示した。だが同時に開発者らは、ハードウェアアクセラレーションのさまざまな機能をChrome 9まで先送りにした。
Chrome 8から9に先送りされたハードウェアアクセラレーションのTo Doリストの項目には、大型レイヤへの対応、不透明度の修正、2Dグラフィックスに関するCanvasのさまざまな問題のほか、反射、ドロップシャドウ、およびマスクと呼ばれるカットアウトを作成するCSS(カスケーディングスタイルシート)の機能への対応がある。ハードウェアに基づくビデオデコーディングは、数日前にChrome 9へ先送りされていた。
あるバージョンから次のバージョンへの先送りは、以前ほど大きな問題ではなくなっている。Googleのリリースサイクルが早まって、マイルストーンと呼ばれるChromeのバージョン番号の変更はより頻繁になっており、近ごろはだいたい6週間で切り替わる。また、グラフィックスハードウェアによる高速化をリリースと同時に試したいと切望する人は、「about:labs」のオプションで利用できるようになる。
また、実験的な機能を試したいという人のために、Chromeの新しいabout:labsメカニズムでハードウェアアクセラレーションが選択肢になるようだ。この方法でGoogleは新しい選択肢を試しやすくしようと取り組んでいるが、同時に、機能の名称を変更して、未完成の機能に関心のないユーザーを遠ざける意向だ。
Chromeのユーザーインターフェースを指揮するBen Goodger氏は10月12日、Chromeのメーリングリストで「われわれはabout:labsの名称を変更して、フレンドリーな雰囲気を減らすつもりだ」と述べた。この機能の理由は全体的にみて、新しい機能のテストを容易にしようと試みるものだ、と同氏は述べた。
「about:labsはコマンドラインフラグのための簡単なGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)というのがabout:labsの第1原則だ。コマンドラインフラグが実にうんざりさせられるもので、チームの開発者が重要なドッグフードを食べない(自分の製品を試そうとしない)ことから(たとえば「Google Instant」)、これが必要なのだ。GUIがあると、チームのメンバーに構成を変更させるのがはるかに容易になる」(Goodger氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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