マカフィーは7月11日、米McAfeeが行った「S.P.A.M(Spammed Persistently All Month)」実験の結果を発表した。この実験は、世界中の50人のインターネットユーザーが30日間、無防備な状態でインターネットを利用するというもの。
どの程度のスパムが集まるか、どんな影響が出るのかなどを調べることを目的とした実験のため、実験の参加者は、ほとんどのインターネットユーザーが躊躇するサイトにもアクセスした。McAfeeの研究者は参加者の日々のブログを調べ、スパムを分析した結果、スパマーが依然として活発に活動していることを確認したという。
10カ国の参加者は実験期間中に10万4000通以上のスパムメールを受信した。これは1人あたり2096通、1日あたり約70通のメッセージを受け取った計算になる。受信されたスパムメールの多くは、信頼できる発信元を装い、ユーザー名やパスワード、銀行口座といった機密情報を盗み出すフィッシングメールであった。
スパムメールにはウイルスに感染したものもあった。その多くが安全でないウェブサイトへのアクセスを促し、アクセスしたパソコンにマルウェアを自動的にインストールした。このため、多くの参加者のパソコンの処理速度が低下し、ポップアップが増加した。
また実験結果から、スパムは大量送信からよりターゲットを絞るように作戦を変更していることが明らかになったという。英語以外のスパムが多く、もっとも多く英語以外のスパムを受信したのはフランスとドイツで、それぞれ11%と14%であった。マカフィーでは今後、世界中で各国語のスパムが増加すると予想している。
McAfeeのCEO兼プレジデントであるデイブ・デウォルト氏は、「今回の実験により、人々はたとえスパムの危険を知っているつもりでも、実際にどれほど危険なのかまでは理解していないことが証明された。実験に参加したのは、それに興味を持ち、問題を十分に理解している、あらゆる職業の人々だった。そういう人達ですら、短期間に大量のスパムが集まった事実、そしてスパマーは成功のためにはあらゆる手段に及ぶことに衝撃を受けていた」とコメントしている。
実験結果では、受信国別のスパム受信件数は米国が2万3233件ともっとも多く、ブラジル(1万5856件)、イタリア(1万5610件)、メキシコ(1万2229件)、イギリス(1万1965件)と続いた。またスパムの種別では、金融がもっとも多く、広告、健康・医療、アダルト、無料品と続く結果となった。
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