World Wide Web Consortium(W3C)は、ブラウザでファイルの操作性を高めるために使用できるインターフェースの草案を発表した。これは、ウェブサイトのインターフェースを徐々に高度化させ、磨きをかけることを目指す、一連のステップの1つだ。
このFile API草案では、ブラウザやウェブサイトでファイルをうまく処理できるようにするための、数多くの方法が規定されている。その中で特に重要な点は、写真共有サイトやウェブベースの電子メールなどで、複数のファイルを選択してアップロードできることだ。そうした作業は現在、Adobe Systemsの「Adobe Flash」に頼ることが多い。
しかし、別の面もある。例えば、Fileインターフェースでは、動画ファイルなどバイナリデータの生のパッケージである「Blob」の使用を制御できる。Googleは、ブラウザプラグイン「Google Gears」でサイズの大きな動画を小さな塊に分割する方法として、Blobを誇らしげに宣伝している。こうすることで、ネットワークの問題でアップロードプロセスが中断された場合に、より簡単に再開できる。
別のメリットもある。ファイルは非同期的に処理されるため、ファイルのアップロードなどの処理の最中にブラウザが停止することがなく、ブラウザがファイル転送の進捗状況を表示できる。
このテクノロジは、ウェブを、インタラクティブなアプリケーションのためのよりよい基盤に変える取り組みの一例だ。こういった動きは、「Windows」などのコンピュータ向けOSからいくらか力を奪うものであり、「Google Chrome OS」のプロジェクトで一番はっきりと具体化されている。
Fileインターフェースの以下の使用例は、W3CでHTML(ウェブページの記述に用いられる言語)に関係する問題に取り組むMike Smith氏が示したものだ。
あるユーザーが、電子メールを読んだり送ったりするために、あるウェブベースアプリケーションを使用している。そのユーザーは、特定のメッセージに複数のファイルを添付したいと思っている。このウェブアプリケーションには、複数のファイルを選んで、一度に添付できるユーザーインターフェースがある。ファイルを選択すると、ファイルはウェブアプリケーションに非同期的にアップロードされるので、ユーザーはアップロード中にほかの作業を行うことができる(例えば、添付ファイルを追加したときに書いている途中だったメールの続きを書き終えるなど)。添付ファイルがアップロードされるにつれて、ウェブアプリケーションはプログレスバーを表示して、アップロード済みのファイルの分量を知らせる。
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