ニューヨーク発--消費者が新OS「Windows 7」を気に入るとすれば、それは、悪評の高かった「Windows Vista」のおかげだろう。
それは1つには、Windows 7が実際に、Vistaのときに施された内部の変更をベースに構築されていることによる。しかし、Vistaによってもたらされた数々の問題こそ、PC業界が協力体制を強化するために必要としていたものだった。
Vistaが消費者にあまり歓迎されず、多くの企業に完全に避けられたことで、Microsoftもコンピュータメーカーも、標準的なビジネスのやり方では、特にAppleが存在感を増している今、うまく行かないことを認識した。
特にMicrosoftは、Vistaへの反応を謙虚に受け止めた。次期バージョンを計画する段になると、新たに設置されたWindows開発部門の責任者を務めるSteven Sinofsky氏は、自社の初期のアイデアを持ってPCメーカー各社と会う機会を持った。
このことは、過去のリリースとの非常に大きな違いだ。過去のリリースでは、一部のPCメーカーが言うところでは、Microsoftは秘密裏にOSを開発して「壁の向こうから放り投げて」いた。
「Vistaまでは、Microsoftが完全に自社だけで考え、自社のアイデアを実装し、その後それをリリースしていた」と、台湾のPCメーカーAcerのバイスプレジデントであるGianpiero Morbello氏は語る。
しかし今回は、MicrosoftはPCメーカーとの間で、自社の初期の計画を共有し、意見を求め、定期的な会合を持った。さらに、大手コンピュータメーカー各社に協力する専任のエンジニアリングチームを割り当て、各社の設計に固有の問題があれば解決できるよう支援した。
その結果生まれたのが、10月22日に発売されたWindows 7だ。変更点はWindows Vistaのときほど大規模なものではないが、予定どおりのスケジュールで発売され、テスターやレビュアーから一様に好意的に受け止められている。インパクトの大きい追加機能はほとんどないものの、PCメーカーとの緊密な協力の結果、日常的なコンピューティングタスクをよりシンプルで洗練されたものにするとして大いに称賛される製品が生まれた。
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