「Windows 7」を産んだのは「Vista」への不満--MSの方針転換の理由 - (page 2)

文:Ina Fried(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2009年10月27日 07時30分

 「iPhone」にあるようなタッチインターフェースのサポートなどの新機能の多くは、PCメーカーとの協力に多大な影響を受けている。2006年にSinofsky氏がWindows開発の責任者に就任して最初に行ったことの1つは、WindowsがMicrosoftから出荷された後、新しいPCに組み込まれるときに何が起こるのかを調べることだった。

 ようやく初期段階で意見を求められるようになったコンピュータメーカー各社は、Microsoftが改善できる点について率直に考えを述べた。確かに、タッチ入力のサポートの仕方から、どのバージョンにどの機能が含まれているかまで、この製品のあらゆる面に、コンピュータメーカーの関与の痕跡が見て取れる。

 ソニーのシニアマネージャーであるXavier Lauwaert氏は、「わたしはMicrosoftでは嫌われていたと思う。とにかく毎回、遠慮なく意見を述べていたからだ」と言う。

 コンピュータメーカーから直接影響を受けた変更の1つに、「Windows 7 Starter」についてMicrosoftが行った方針転換がある。Windows 7 Starterは、主にネットブックを対象としたWindows 7のエントリレベルバージョンだ。当初Microsoftは、よりハイエンドのエディションと差別化するためもあって、1度に開けるアプリケーションの数を3つに制限するつもりだった。

 PCメーカー各社は、そのような制限は厳しすぎ、消費者が安全性の劣る旧バージョン「Windows XP」から離れなくなるおそれがある、と強く抗議した。最終的にMicrosoftは譲歩して、ほかの制限は残したものの、Windows 7 Starterを搭載したネットブックでは、限られたメモリ容量の許す限りいくつでもアプリケーションを実行できるようになった。

 そのほかにコンピュータメーカーや法人顧客との話し合いから生まれた機能としては、「Windows XP Mode」の追加がある。このオプションを使うと、Windows 7のユーザーは、新しいOSと互換性のない古いアプリケーションを実行するために、仮想化された無料のWindows XPを実行できる。互換性のないプログラムが1つあるために、企業がWindows XPからの移行を検討することさえしない、というケースもあった。

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