「Windows 7」で改善されるのは、インターフェースだけではない。内部に施された変更により、Intel、NVIDIA、およびAdvanced Micro Devices(AMD)製のチップでのWindows 7のパフォーマンスは、MicrosoftのこれまでのOSより高くなるだろう。
Microsoftは米国時間7月22日、Windows 7のコードが完成し、10月22日から新しいPCにインストールして出荷される予定だと発表した。改良点には、マルチタスク処理、グラフィックアクセラレーション、ソリッドステートドライブをWindowsが扱う方法が含まれる。
MicrosoftはIntelと緊密に協力している。Intel製のチップは、Windows 7が稼働するPCの大多数に搭載される。IntelのMicrosoft担当アライアンスマネージャーを務めるJoakim Lialias氏は、7月22日付けのブログ記事で、MicrosoftとIntelが、パフォーマンス、電源管理、グラフィックスの領域で「Windows 7をIntelプロセッサテクノロジ向けに最適化する、またとない機会を見いだした」と説明している。
Lialias氏は同ブログ記事で、「SMT Parking」という機能に基づく、マルチタスク処理の改良に焦点を置いている。これは、Windows 7のスケジューラにIntelのハイパースレッディングテクノロジのサポートを追加するものだ。ハイパースレッディングを使用すると、OSでは1つのシングルプロセッサコアが2つのコアとして認識される。例えば、1つのクアッドコアシステムは8つのコアを持つように認識されるため、マルチタスク処理、つまり同時に複数のタスク(スレッド)を実行する処理が改善される可能性がある。
ハイパースレッディングは、「Intel Core 2」チップでいったん取り除かれた後、再び流行となった(デビューは「Pentium 4」プロセッサだった)。「Nehalem Core i」シリーズのプロセッサでは、「Atom」チップと同様にハイパースレッディングが採用されている。Intelは実際、ハイパースレッディングをチップのコアの仕様に含めるようになった。例えば「Core i7-975」プロセッサは「4コア、8スレッド」と記載されている。
Lialias氏は、起動と終了にかかる時間についての改善にも言及している。「両社の共通の目標は、可能な限り反応の早いコンピューティングエクスペリエンスを提供することだ」(Lialias氏のブログはPC Worldの記事に引用されている)
Windows 7ではまた、グラフィックスも、これまでのバージョンに比べて充実している。この点で最も期待されるテクノロジとして際立っているのは「DirectX 11」だ。AMDの最近のブログ記事では「『Tessellator』という強力な機能により、ゲーム開発者は、ゲームの中のものを、より滑らかで、角張っておらず、自然に見えるように制作することができる」と説明されている。同ブログでは、DirectXが「AMD Opteron」チップなどのマルチコアプロセッサで使用される際に「よりいっそう効率的になるよう」再設計されたことが述べられている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」