スペイン、バルセロナ発--「iPhone」のメーカーであるAppleは、携帯電話業界のほかの企業が集まったGSMA Mobile World Congress 2009には出席していないが、Appleの成功の拡大は、モバイル市場の主要な企業トップにとって最大の関心事であることは間違いない。
The Wall Street Journal(WSJ)のテクノロジ担当コラムニストであるWalt Mossberg氏が司会を務めた現地時間2月17日のパネルディスカッションでは、iPhoneと、Appleの「App Store」の成功は、単なるついでの話にはとどまらなかった。
このパネルディスカッションには、モバイル業界で最も影響力が強い3名の最高経営責任者(CEO)が参加した。米国第2位のモバイル事業者であるAT&T MobilityのCEOのRalph de la Vega氏、世界最大のハンドセットメーカーであるNokiaのCEOのOlli-Pekka Kallasvu氏、世界のソフトウェアリーダーMicrosoftのCEOのSteve Ballmer氏だ。このパネルディスカッションでは、モバイル市場におけるイノベーション成功の促進に向けた、オープン性向上の必要性がテーマであった。
しかし議論はすぐに、Appleのオープン性の必要性に移っていった。Appleは成功の拡大をよそに、業界で最も閉鎖的な企業と考えられている。
CEOらはそれぞれ、オープン性が何を意味するか、そしてAppleがオープン性について独自のビジョンを導入すれば、さらにどの程度成功するかということについて、独自の考えを示した。de la Vega氏とKallasvu氏は、開発者がより多くのデバイスで稼働するアプリケーションを作成できるように、OSを少なくする必要があると述べた。
「顧客はわれわれに、簡素化することを求めている。特に法人顧客は、管理するOSの数を少なくしたいと思っている」(de la Vega氏)
AT&Tは米国でiPhoneを独占的に提供する通信事業者だが、同社CEOのde la Vega氏は、オープン性を高めることはAppleの利益になるとさえ述べた。
de la Vega氏は「iPhoneは大成功だが、そのアプリケーションが相互利用できればさらによくなるだろう」と語った。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」