「ウェブ全体のソーシャル化」を進めるFacebookが打ち出す“次の一手”

北村充崇(JAIC America)2010年05月28日 11時00分

 Facebook、Googleがそれぞれ開発者向けのイベントを立て続けに開催し、Appleも6月7日にイベントを控えるなど、注目各社の動きが活発だ。それぞれ自社の自慢話のオンパレードに感じることもあるが、将来へのロードマップや新サービスの紹介などがありおもしろい。この3社の中でも、勢いのあるFacebookに注目したい。

 Facebookは4月21日、今回で3回目となる開発者向けイベント「F8」を開催した。いつもの黒のパーカーにジーンズ姿の同社CEOのMark Zuckerberg氏から、「ウェブ全体のソーシャル化が当たり前になる」との発言があり、新しいネットは自分たちがリードするという勢いを感じた。

 特に、「Like(いいね!)」ボタンという機能が好評で、順調に利用を拡大しているという。このボタンを押せば、ユーザーが気に入ったウェブサイトやニュース記事、ブログ投稿、音楽などを、Facebook上で友達に推薦できる。実際に利用してみると、とても簡単に自分の好きなニュース、商品、音楽などをシェアできて便利である。すでにリーバイスなどがソーシャルコマースに利用しているなど、今後の成長が楽しみなツールだ。

 Facebookでは、2008年に「Facebook Connect」を発表している。これは、サードパーティのサイトやアプリにFacebookのデータが利用できるというもの。今では新しいネットサービスを提供するベンチャー企業の必需品となっていると言っても過言ではない。これによりユーザー誘導が簡素になり、マーケティングコストの大幅削減と新しいサービスの普及に大きく貢献した。

 JAIC Americaでは投資戦略上、創業間もないネットベンチャーにも多く投資しているが、その中の多くのベンチャーがFacebook Connectをいろいろな目的で利用している。たとえば、以前にも触れたがグーグルに買収された 友人間検索サービスの「Aardvark」は、Facebook Connectを使って友人ネットワーク情報を確保するため、これがないとサービス自体が存在できない。

 また、急成長して話題を集めているアプリのレビュー/紹介サイト「Chomp」もFacebook Connectを利用して、素早く、多くのユーザーにリーチし、売上げに貢献している。このChompは、創業期のGoogleやFacebookなどに投資/支援をした超有名エンジェル投資家のRon Conway氏も出資する企業。Yahoo!やYouTubeがインターネットとビデオのポータルサイトとなったように、アプリのポータルサイトとなるべくサービスを強化している。

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