第3章より続く。
今回は、インターネットの歴史の第4章として、「Web 1.0」「Web 2.0」というタイトルで2つの分野を見てみよう。
質問する相手によって答えは違うだろうが、Web 1.0は一般に、ドットコムバブルがはじけるまでのウェブの時代を指すとされている。サイトのほとんどは静的なページで、情報は単純にインターネット上で利用できるだけであり、アクセスした人専用には作られていなかった。なおわれわれは、短命だった「バブルビジネス」はWeb 1.0の5つの出来事には含めないことにした。
The Techはマサチューセッツ工科大学(MIT)が発行するキャンパス新聞で、ウェブ上で読めるようになった世界初の新聞である。The Techのウェブサーバは完全な新聞を発行できる最初のシステムであり、ウェブが登場したときに存在していたあらゆる新聞の先を行っていた。2008年時点で多くの人は、印刷媒体の雑誌と新聞は将来完全にオンラインバージョンに置き換わるだろうと考えていて、その意味でもThe Techの存在はより際立っている。
2008年の2月にMicrosoftはYahooを446億ドルで買収しようと試みたがYahoo側は拒否した。Yahooがトレーラーの中から始まったことを考えると、悪くはなかった。Yahooは博士号の取得を控えていた2人のエンジニア、David Filo氏とJerry Yang氏によって創業された。2人は単純に面白いウェブサイトを収集したいと考えていただけだった。最初の名前は「Jerry and David's Guide to the World Wide Web(JerryとDavidによるWWWガイド)」だった。名前を「Yahoo」に改めたのはいい判断で、これは「Yet Another Hierarchical Officious Oracle(少し気の利く階層的でお節介なデータベース)」のこじつけだ。どうでもよいことだが、2人はどうしても名前の最後に感嘆符を付けることにこだわったという。
Jeff Bezos氏がAmazonを設立したのは、サービス開始の1年前の1994年だが、Amazonの場合はインターネットの偉大なるサクセスストーリーの1つとはいえない。その代わりに、2000年に起きた大規模なバブル崩壊を生き残った数少ない企業の1つといえる。多くの従業員を解雇し、Amazonについて書かれた書籍「Amazonia」によれば14億ドルの年間純損失を計上し、(誰も知らないだろうが)主にパブリックドメイン本の出版社として世界を驚かすことにも失敗していた。
eBayは、AuctionWebというサイトとして始まった。同サイトは、壊れたレーザーポインタを壊れたレーザーポインタのコレクターに売ったりしていた。当時、ガレージに眠るがらくたの一覧を作ったり、売ったりするために金を支払う必要はなかった。しかし、そうした方法はすっかり様変わりし、Pierre Omidyar氏は億万長者、となった。最初から利益を上げたばかりか、もちろんドットコムバブルも生き残った。特に興味深い点は、ユーザーが正直であることにeBayが依存している点だ。そして、まったくのがらくたを買う人がいることにも驚かされる。
2000年1月10日にAmerica OnlineはTime Warnerを1600億ドルで買収すると発表した。3500億ドルの巨大企業かつ大規模メディア企業を生み出すとともに、最大規模の企業買収となった。当時アナリストのPhil Leigh氏はCNET Newsに、「まだわれわれのほとんどには証拠として示されていないとしても、インターネットは、テキストやグラフィクスだけでなく、オーディオとビデオが主役となる時代に移っていくことは明らかだ」と語っている。明らかにAOLはそれを分かっていて、実現する方に1600億ドルを賭けたのだ。
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