第2章より続く。
今回は、インターネットの歴史の第3章として、「オンラインメディア」「ウェブの特性」というタイトルで2つの分野を見てみよう。
ウェブの大きなメリットの1つ(特にサイトの音楽編集者にとって)は、手間をかけずにメディアを配布できる点だ。これまでと比べてとても簡単に、音楽、動画、画像を配布することができる。このセクションではオンラインコンシューマーメディアがたどった道を取り上げてみよう。
MP3はインターネット上の音楽フォーマットとしてはおそらくもっとも一般的だろう。10年以上にわたって極めて広く利用されている。MP3はデジタル音楽の変革を促し、YouTubeビデオのコーデックとして用いられ、PtoPネットワークを飽和させ、そして今ではDRM(デジタル著作権管理)フリーのデジタル音楽のダウンロードに不可欠だ。この古い特許が認められたのがこの年だ。
Norman Hajjar氏が創設したRadio HKは、最初の24時間放送のインターネットのみのラジオ局として開設され、無名のバンドやインディペンデントレーベルの音楽を放送することから始まった。Radio HKのリスナーは46カ国で10万人に達すると推計された。米国作曲家作詞家出版者協会(ASCAP)からトライアルライセンスも取得し、インターネット音楽放送の合法的な先駆者となった。
18歳のSean Fanning氏のNapsterアプリケーションは、作成から1カ月後、そして、最初の資金提供を受ける2カ月前、初めて大量のMP3ファイルの交換を可能にした。Napsterは音楽業界を根本的に変える、インターネットの道具となった。
プロトコルの考案者だったBram Cohen氏が書いた最初のBitTorrentクライアントがリリース(当初のリリースは2001年7月だが公開され使える状態としては2002年10月)されると、応用が広がるのは時間の問題だった。派生ソフトや関連ウェブサイトによって世界のメディア配布の様相は大きく変わった。BitTorrentは無料であり、しかも驚くほど効率的だ。
YouTubeはFlashベースの動画とグローバルなウェブベースの動画共有の時代のさきがけとなった。PayPalの元社員3人が設立し、2006年にGoogleによって16億ドルで買収されたYouTubeは、ウェブの動画革命の最前線に立っている。画質が低いことに対して批判もあるが、2008年には米国民主党の大統領候補者同士の討論会のオンライン中継に初めて公式に使われた。
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