Microsoftが「JavaScript」に取り組んでおり、同社のテクニカルフェローで、「C#」の父であるAnders Hejlsberg氏がそれに携わっていることはこれまで秘密にされていたが、米国時間10月1日、その取り組みに関する詳しい情報が明らかになった。
Microsoftは1日、JavaScript開発がクライアントを越えて拡大することを目的とする新しいプログラミング言語「TypeScript」を発表した。
Microsoftは関心のある人々に向けて、同社のCodePlexサイトで、TypeScriptのさまざまな要素のプレビューを公開しており、それには、TypeScriptの言語仕様やTypeScriptコンパイラ向けソースコードが含まれる。TypeScriptは、「Apache 2.0」オープンソースライセンスの下で公開されている。Microsoftは新しいTypeScript言語およびコンパイラに加えて、「TypeScript for Visual Studio 2012」プラグインも公開し、コードナビゲーションやリファクタリング、静的エラーメッセージ、「IntelliSense」といった「Visual Studio」の機能をJavaScript開発者に提供する予定だ。
Hejlsberg氏がTypeScriptについて話すMicrosoft Channel 9の動画が、Microsoftのウェブサイトで公開されている。
Microsoftの開発部門担当コーポレートバイスプレジデントであるSoma Somasegar氏は10月1日のブログ投稿の中で、MicrosoftがTypeScriptによって解決できると考えている問題について略述した。
「『HTML5』の登場により、リッチなユーザー体験を提供する上で、標準ウェブプラットフォームがますます魅力的なものになっている。それと同時に、JavaScriptのリーチも拡大し続けており、ブラウザを越えて、ネイティブデバイスアプリ(例えば、『Windows 8』の『Windows Store』アプリ群)やクラウド上のアプリ(例えば、『Windows Azure』上で動作する『node.js』)なども含むようになった。これらの進化により、大規模なJavaScriptアプリケーションを作るのは困難であるにもかかわらず、前例のないサイズのアプリケーションがJavaScriptで記述されるようになってきている」(Somasegar氏のブログ投稿)
Microsoftは、大規模なアプリケーションの構築と大規模なチームの支援に必要な「糖衣構文」を提供するために、JavaScriptのスーパーセットであるTypeScriptを構築している、とSomasegar氏はブログ投稿に書いた。TypeScriptはクライアントサイドアプリやサーバ/クラウドサイドアプリを記述しているユーザーに対し、強化されたJavaScriptツール群を提供する、と同氏は述べた。一般的にこれまで静的型付け言語でのみ利用可能だった類のツール群が、TypeScriptを通してJavaScriptでも利用できるようになる、と同氏は話した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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