米国時間6月28日は、Microsoftが「Office 365」をローンチする日だ。Office 365は「Google Apps」のライバルといわれている製品で、Microsoftにとってはホスティングサービススイートの「Business Productivity Online Suite(BPOS)」の後継となるものだ。
MicrosoftがOffice 365を公式に披露し、一般公開する前日になって、GoogleはGoogle Enterpriseブログに「365 reasons to consider Google Apps(Google Appsを検討すべき365の理由)」というタイトルのブログ記事を掲載し、攻勢に出た。
実際のブログ記事は、GoogleがOffice 365よりも優れていると見る4つの分野を挙げている。それは、チームコミュニケーションへのフォーカス、マルチクライアント対応、シンプルな価格体系、信頼性の4点だ。
ここ数カ月の間に発生したBPOSのサービス障害は、Microsoftの顧客とパートナーにとって間違いなく大きな問題となったはずだ。MicrosoftはOffice 365で新たにマルチテナント中心の設計を導入しており、BPOSと比べ信頼性が改善するだろう。Office 365の価格体系が複雑であることは、異論の余地がなさそうだ。選択肢の多さとシンプルさの間でどこに妥協点を置くかは難しいところだが、Office 365のプランE、プランK、ローカルOfficeクライアントオプションなどを見ると、Microsoftは「1つの価格体系で全顧客を対象とする」シンプルな価格体系ではなく、選択肢の多さを選んだと見える。一方Googleは、最近SMB向けプランを新設するなどしてGoogle Applsの価格体系に手を加えたものの、あまり多くの価格体系を用意していない。
それでも、GoogleがOffice 365を疑うべき理由として挙げたものの中には、納得がいかないものもある。たとえばコラボレーションをみてみよう。MicrosoftはOffice 365で、チーム機能にフォーカスしている。コミュニケーションおよびコラボレーションプラットフォーム「SharePoint」のホスティング版「SharePoint Online」は、Office 365を支える柱の1つなのだ(この他の柱は、「Exchange」のホスティング版「Exchange Online」、ユニファイドコミュニケーション製品「Lync」のホスティング版「Lync Online」となる)。
アップデート:Googleの担当者は、Googleのブログ記事にある「チーム対個人」の比較は、ドキュメント上やドキュメント内部でのコラボレーションに関するものだと説明している。Googleが指摘しようとしたことは、「Office Web Apps」に混乱している顧客は現在でも多く(これには私も同感だ)、ドキュメント内でのコラボレーションに対応していないが、Googleは「Google Cloud Connect」で対応を試みている点だという。
MicrosoftはサブスクリプションベースでOfficeスイートを購入したい人向けに、「Office 2010 Professional Plus」をオプションのアドオンとして提供するが、Office 365でウェブを無視しているわけではない。Office 365では、ウェブ版の「Word」「Excel」「OneNote」「PowerPoint」を含むOffice Web Appsをサポートしており、これらのアプリケーションは「Internet Explorer」「Firefox」「Safari」「Chrome」で動作する。
「Azure」プラットフォームのときと同様、Microsoftはクラウドアプリのバンドルでもハイブリッドアプローチを強調している。ユーザーは自分たちのデータセンターにあるサーバでExchange、SharePoint、Lyncを運用することもできるし、Office 365の一部としてMicrosoftのホスティング版を利用することもできる。またこの2つの方法を組み合わせることも可能だ。100%クラウドベースという売り込みではないが、私が話をしたユーザーの多くは、オンプレミスソフトウェアがまったくないよりも、ハイブリッドアプローチを好んでいるようだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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