今回のテーマは「リノベーション住宅の認知・利用意向調査」。
都市部における再開発の裏でオフィスビルの空室率が高まる中、建物を大規模に改修して再利用する「リノベーション住宅」について、認知度および利用意向を探った。
今回の調査は4月12日〜4月15日で行い、全国の1068人の男女(北海道5.15%、東北5.06%、東京23区9.74%、首都圏(東京23区を除く)9.93%、北関東10.30%、甲信越10.39%、名古屋市9.74%、東海・北陸(名古屋市を除く)10.21%、大阪市9.36%、関西(大阪市を除く)9.36%、中国・四国4.96%、九州・沖縄5.15%)から回答を得た。
「リノベーション住宅」を知っていた(聞いたことがあった)と回答した人は、全体の3割程度にとどまり、6割以上の人は「まったくしらなかった」と回答している。これを地域別にみると、リノベーション住宅を知っている(聞いたことがあった)と回答した人が、東京23区では6割程度、大阪市・名古屋市などでも4割程度いることから、都市部では認知が高いことがうかがえる。
リノベーション住宅の魅力として、「建築のコストが抑えられる」55.52%、「建物を再利用することにより、環境保護に貢献できる」33.90%、「パターンから選ぶのではなく、自分の好きな間取り(デザイン)にできる」28.75%が上位に上げられている。建築コストの低減化や自分の思いどおりの住空間といった個人のメリットを求める声だけでなく、自然環境に配慮した住宅への関心も高いことがわかる。
「今後、リノベーション住宅を利用してみたい」と回答した人は全体の6割に達している一方で、利用したくないと回答した人の理由として、「耐震性や耐久性が心配だから」31.15%、「大規模修繕の方がコストがかかりそうだから」24.82%と、中古住宅の安全性や大規模改築の費用を心配する声がみられた。
また、それらとほぼ同数で「特に理由はない」29.04%、「リノベーション住宅のことを良く知らないから」26.70%といった回答が目立っていることから、認知や理解がさらに進めば、利用してみたい層が増加することが予測される。
リノベーション住宅の利用を促進するために、必要な条件をたずねたところ、「住宅ローンが優遇される」64.70%、「周辺の相場よりも価格が安い」60.49%と、金銭面でのメリットをあげる人が多かった。次いで「自分の要望を細部まで実現することができる」54.03%、「第三者機関の検査や評価を受けている」44.10%が続いており、前述のリノベーション住宅を利用したくない理由と重なっている。
今回の調査結果から、耐震性・耐久性など建物の安全性が確保され、低コストで自分の意思を反映した住宅が実現できるのであれば、既存建物の再利用が普及するのではないかと考えられる。
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