Firefox 3登場、ブラウザ覇権の行方は?

2008年6月20日 20時00分

 Firefox 3が正式リリースされました。数々の新機能と1万5000を超える改良を施したメジャーバージョンアップで、800万件以上のダウンロード数を達成。24時間以内に最も多くダウンロードされたソフトウェアとしてギネス世界記録の樹立が注目されています。他のブラウザも動きが活発です。Internet Explorer 7の自動更新が2月から開始されたほか、次期バージョンIE8のベータも開発者向けに公開されました。SafariはiPhoneに搭載されることで、触れる人が多くなりそうです。Operaも最新であるバージョン9.5のダウンロード数が470万を突破しました。

 現状、ブラウザシェアをリードするのはInternet Explorerですが、最新版の出だし好調なFirefoxやOpera、MacやiPhoneとのコンビネーションが強みのSafariとのユーザー獲得戦争の行方に今後変化は起きるのでしょうか。パネリストの皆さんの意見を聞かせてください。


  • 奥木博一
    奥木博一さん (パーク24株式会社 業務推進本部 技術開発部 マネージャー)
    MySpace Japan の立ち上げの際、開発マネジャーとして米国本国の MySpace の多くの Web 開発技術者と共同開発を行った。

    機密事項ではないため申し上げると、MySpace のサーバーシステムは ASP.NET で構成されており、Microsoft「一色」である。大規模な Web Service を .NET で行う代表的な事例として、企業としての関係も Microsoft とは蜜月の関係にある。

    ところが、開発者達が動作検証環境として使っていた Web Browser が何と FireFox だった。ある開発者は「IE sucks(あえて翻訳しない)」とまで言っていた。

    自分としても、現在 IE を起動する場面は Microsoft Update と プラグインも含め、FireFox に親和性の低い Web ページを表示するとき位である。

    開発者の立場では、FireFox 2 の段階でもそれだけ FireFox は支持されている。また、現在 Web アプリを開発する立場としても、XHTML の処理と表示の正当性・素直さは FireFox の方が上だと感じている。

    ただし、日本のマスマーケットを考えると IE を対象ブラウザから外すことはできない。Web 製作者は "CSS hack" というキーワードの下に、ブラウザ別にソースコードを変更したり、IE でうまく表示されるように、あえて W3C の XHTML 勧告から外れたコードを仕込んだりしているのである。

    私としては、今後日本でも、徐々に FireFox のシェアが上がり、IE のシェアが下がるのではないかと考えている。

    健全な競争が行われ、IE 特化のコードを書かなくて済むように、という技術者としての希望も含むが、それよりも簡単な理由は、FireFox の方が総合的に見て「優れている」からである。

    2008-06-21 20:55:33

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