ブログの倫理規定はどうあるべき?

2007年9月3日 10時49分

 先日、米国でブログの倫理規定が話題になりました。Read/WriteWebの記事によれば、発端は「webb alert」というブログが広告ネットワーク「Federated Media」との関係を明らかにしていないのではないか、と指摘されたことでした。こういったブロガーと広告主との利害関係についての話はたびたび論じられていますが、実際のところ、ブロガーにはどのような種類の情報開示が必要(あるいは不要)なのでしょうか。パネリストの皆さんのお考えを聞かせてください。またご自身で具体的に実践されていることがあれば教えてください。


  • 佐々木俊尚
    佐々木俊尚さん (フリージャーナリスト)
    私が以前属していた毎日新聞社では、取材先からいっさいの金品(金銭だけでなく、商品も含めて)受け取ってはならないと教育された。そうした姿勢によってフェアネスを確保するというのが、新聞社のスタンスだったわけです。

    その後に転職した出版社のアスキーでは、編集部のほぼ全員がごく当たり前のようにメーカーからノベルティのみならず、市販されている商品まで平然と受け取っているのにはかなり驚かされました。某カメラメーカーが記者発表会で人気デジカメを出席した記者たちに配ったときには、後からその事実を知った同僚たちがわれ先にとメーカーに電話をかけ、「すみません、出席してないんですがもらえませんか」と問い合わせていたのには、唖然としました。

    雑誌の世界では、純然たる記事とタイアップ記事はきちんと峻別されなければならないというのがかつての常識で、タイアップ記事には「これは広告です」「広告記事」という注意書きがわかりやすい場所に掲示されていました。ところが雑誌のマーケットが縮小し、どこの雑誌も収益低下に四苦八苦するようになった九〇年代後半以降、このルールはなし崩し的に崩壊して、いまや広告と純粋記事の境界はきわめて曖昧になってしまっています。

    そういう実態を振り返れば、ブロガーにだけ広告と純粋エントリーの峻別を求めるのは酷なような気もします。

    とはいえ、雑誌のような活字メディアと異なり、すべてが可視化され、相対化されているのがネットの世界。そのトランスペアレントな世界では、純粋なエントリーのふりをして金銭や商品をもらって広告するということに対しては、紙の媒体よりも高い透明性が求められているのではないかとも思います。

    難しいテーマではありますが、最低限ブロガーの皆さんに求めたいのは以下の項目です。

    (1)金銭の提供があったかどうか。
    (2)商品の提供があったかどうか。
    (3)商品は返却を求められているのかどうか。

    2007-09-01 21:05:33

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