違反か販促か--著作権侵害動画の本質

2008年3月17日 01時00分

 ニコニコ動画において著作権を侵害している放送番組の動画をすべて削除する方針であることを、運営するニワンゴの親会社ドワンゴが明らかにしました。ニワンゴはテレビ局6社に対し、既存の著作権侵害放送番組動画をすべて削除する、新規投稿動画の監視を行い著作権侵害放送番組動画については直ちに削除する、という内容の申入書を提出したとされています。一方で、ユーザーによる動画アップロードはコンテンツの宣伝として有用との考えもあります。角川グループでYouTubeを活用した新規ビジネスを担当する角川デジックスの福田正社長は、日経BP「Tech-On!」のインタビューで、「ファンのいないところにエンターテインメントは成り立たない。好意を持っていてわざわざ宣伝してくれる。そんなファンをないがしろにして著作違反だとやっていたら,ファンなんかいなくなります」と語っています。違反か、それとも販促か--著作権侵害動画の扱い方について、パネリストの皆さんの意見を聞かせてください。


  • 奥木博一
    奥木博一さん (パーク24株式会社 業務推進本部 技術開発部 マネージャー)
    現在、著作権法違反は「親告罪」となっています。したがって、違反とするかどうかは著作権保持者が決定できます。

    したがって、「違反か販促か」という問いかけについては、「二者択一ではない。両方使い分ける。」という答えになります。ステークホルダーがテレビ局や大手出版社など対象数が少なく、「顔」が見える相手の場合は、相互の意思疎通を円滑にし、彼らの望む姿を実現してあげるべきだと思います。

    テレビ番組コンテンツに関して言うと、タレントとの契約関係や自社のコンテンツの当初価値・知名度の関係で、番組をその種の動画サイトにアップロードされたくないという背景は理解できます。

    トラフィックのある動画サイトに対しては、「著作権違反を指摘しないから、ぜひともプロモーションの一環として自分の著作物をアップロードしてほしい」というニーズもあるはず。杓子定規に、動画サイト運営側が、著作権違反と思われるコンテンツを排除すると、お互い不幸になると思います。



    2008-03-17 13:08:20

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