チェリコ・エンターテインメント(チェリコ)は12月8日、WindowsおよびMacintosh用のアニメーション作成ソフトウェア「PICMO」の発表会を行った。同日より、試用版のダウンロードおよびライセンスキーの販売を開始している。
チェリコは、古くはウゴウゴルーガの「しかと」、近年では「おしりかじり虫」などの作品で有名なクリエイターユニット「うるまでるび」のうるま氏が代表となり、9月3日に設立されたばかりの新会社。
PICMOは、IPAの未踏ソフトウェア創造事業として採択され「うるまでるびペイント」のコード名で、5年近く前から開発が続けられてきた製品の正式リリース版であり、チェリコとしてのソフトウェア第1弾となる。
製品名の「PICMO」は「Picture Motion」の略であり、その名の示すとおり、容易にアニメーションを作成できる点に特化して、種々の機能や技術が注ぎ込まれたツールとなっている。
PICMOの開発リーダーであるうるま氏は、開発の経緯について「古くからコンピュータでのアニメーション制作に携わってきたが、その中でなかなかいいツールに出会うことができず、結局自分で作ってしまった」と話す。
うるま氏は、「コンピュータを画材として、絵を描くために使いやすいソフトウェアを追求した。また、従来の多くのコンピュータツールは、既に頭の中にあるイメージを整理して、きれいな成果物を作る用途には向いているが、実際にソフトを使いながら新たなものを生み出すためのツールは多くない。PICMOでは人間の“創作マインド”を刺激することを目指した」と説明する。
PICMOを起動すると、シンプルなペイントツールのようなユーザーインターフェース(UI)が立ち上がる。絵を描く作業は、一般のペイントツールと同様に「ペン」や「バケツ」などの機能を使って行える。
特徴は、「上手に描けない前提のお絵かきソフト」として、独特の修正機能が搭載されている点だ。一度描いた線を上からなでてやることによってスムーズにゆがみを修正する「いいこいいこペン」や、一般のベクターグラフィックツールのようにコントロールポイントを気にせず、元の形状を維持したまま図形を「引っ張って」変形できる「形状記憶ひっぱりペン」といった機能が搭載されている。
また、PICMOのメイン機能となるアニメーション作成の方法も、従来のアニメツールに比べて独特だ。オブジェクトとして描いた図形の位置移動に加え、オブジェクト上に複数の「ピン」を設定し、それぞれのピンを個別に動かして、オブジェクトを変形することができる。カンバス上でさまざまに動かした結果は記録され、即座にアニメーションとして再生が行える。PICMOのペイントツール上で作成したグラフィックだけでなく、取り込んだ画像を同様の操作でアニメーション化することが可能だ。
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