三洋電機は3月18日、イヤホンだけでハンズフリー通話を実現するイヤホンマイク用LSI「LC70701LG」を開発したと発表した。携帯電話向けのBluetoothヘッドセットなどへの搭載を見込む。サンプル出荷は3月から。サンプル価格は800円となる。
イヤホンマイクとは、耳に装着したイヤホン部分から音が聞こえるとともに、話す声の振動を拾いマイクの役割を果たすというもの。これは人間が声を出すとき、声帯が振動すると同時に鼓膜から微弱な音声信号が出ていることに着目し、実現された技術。
開発されたイヤホンマイク用LSIでは、鼓膜からの微弱な音声信号を増幅することで、耳に装着しながら声を送信できる仕組みだ。
三洋電機では2006年から、イヤホンマイク用のLSIを開発。第1世代機となるLSI「LC70700W」は、業務用途などに使用されている。第2世代機となるLC70701LGは、イヤホンマイクLSIにノイズキャンセル機能を搭載することで、機能性を向上。従来イヤホンマイクとノイズキャンセルの2チップから構成されていたものを1チップ化することで、面積を82%削減し、小型化した。
また、独自の低消費電力化技術を用い、従来1.5V必要だったデジタル部の消費電力を1.1Vへと低減。1チップ化と合わせて約25%、消費電力をカットしている。
このイヤホンマイクLSIを使用すれば、片耳だけで同時送受話ができるマイクフリーかつハンズフリーなシステムを製品化できる。ノイズキャンセル機能も備えているため、外部の騒音を低減させ、よりクリアな通話環境をサポートしてくれるという。
三洋電機では、今回の第2世代機から民生用機器への搭載も見込んでおり、携帯電話向けBluetoothヘッドセットや無線機などへの商品化を視野に入れているという。すでに、イヤホンマイクLSI搭載商品としてSMKからマイクレスBluetoothヘッドセット「FX 7009」が開発発表されているとのこと。
今後は更なる低消費電力化、高音質化を図った第3世代LSIを開発する予定としている。
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