デジタル写真の愛好家を格好の顧客と考えるMicrosoftは米国時間5月1日、こうした層に「Windows」を使い続けてもらうことを目的に、新しい無料ツールを発表する。
この新ツール「Pro Photo Tools」はデジタル写真のメタデータの追加、変更、削除ができるというもので、プロの写真家および写真愛好家を対象としている。なかでも目を引くのが写真にジオタグを付けられる機能で、これを使えば撮影場所の情報を写真に追加できる。ジオタグの追加は現在のテクノロジをもってしても面倒な作業だが、カメラメーカーはこの機能をカメラに組み込もうと取り組んでいる。そして、その取り組みが将来実を結ぶ可能性がある。
ジオタグ追加機能が望まれるのは、これがうまくいけば、「IMG_5829.jpg」といったわかりにくいファイル名が並ぶフォルダを探し回ったり、たくさんのサムネイルを目を凝らして見なくても、写真を「パリ」という1語で検索できるようになるからだ。コンピュータが自分のおばさんやグランドキャニオンを識別できるようになるのは、まだかなり先の話になりそうだが、ジオタグ追加機能は、ますます増えていくデジタル写真のコレクションを確実に管理する方法として、将来性が見込まれている。
「ジオタグが利用されるケースは増えている。しかし、やり方がまだまだスマートではない。われわれは、ジオタグが当たり前になるようにしたいのだ」と、Microsoftのデジタル画像処理エバンジェリズム担当ディレクターJosh Weisberg氏は述べている。
とはいえ、ジオタグはまだようやく本格化し始めたばかりの技術だ。Pro Photo Toolsにも、今後新たな機能が追加されていく可能性がある。Weisberg氏によると、Microsoft自体もいくつかの新機能の開発に取り組んでいるほか、サードパーティーによる開発を認めることも検討しているという。
「われわれは、サードパーティーの参加も可能にしようと話し合ってきたが、(中略)これは難しい問題だ。私自身、その方向に進むかどうか、まだ決めかねている」と、Weisberg氏は語った。
デジタル写真ソフトウェア市場を見れば、Adobe SystemsがPro Photo Toolsの競合になりそうなことは想像に難くない。しかし実際には、むしろAppleと競合するのではないかというのが、筆者の印象だ。Appleのコンピュータは「プロのクリエイター」に人気があり、写真編集ソフトウェアの「iPhoto」も搭載しているからだ。
Weisberg氏は、競合他社に関する詳しい言及は避けたが、Pro Photo ToolsがWindowsをより魅力的なものにするという意図で設計されたことは認めた。「この製品では、同プラットフォーム(Windows)を、より写真家にとって使いやすいものにすることに注力している」と、Weisberg氏は説明した。
Weisberg氏はまた、Pro Photo Toolsについて、Microsoftが既存のWindowsインフラを活用することで得られる成果を示す強力な実例だとして、次のように語っている。「100日前、私は(プロジェクトを開始するという)メモを書いた。そして100日後には、製品が出来上がった。今までのMicrosoftでは、こんなことはなかったはずだ」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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