Microsoftは、Photoshopで「HD Photo」フォーマットのファイルへの読み書きを可能にするプラグインからベータの表示をはずした。同社ではHD PhotoフォーマットをJPEG XRとして標準化することを目指している。
このプラグインには「Windows」用と「Mac OS X」用が用意されており、無料でダウンロードできる。HD PhotoとJPEG XRの開発を統括してきたBill Crow氏は米国時間12月6日、自身のブログで同製品が「Windows XP」と「Windows Vista」、「Mac OS X 10.4」と「Mac OS X 10.5」、そして「Photoshop CS2」か「Photoshop CS3」上で動作すると述べた。
Microsoftでは、HD Photoが将来的にJoint Photographic Experts Groupの管理にある普及しているJPEG標準に代わる存在になることを期待している。同社は、圧縮率の向上、より豊かな色彩、ダイナミックレンジの拡大などをHD Photoの持つ利点として挙げている。このフォーマットにより、圧縮によりデータが損失することなく画像を保存することができる。特許使用料を支払う必要がなく、ライセンス上の制約もない。さらにカメラ機器に組み込むことも可能だ。当初は「Windows Media Photo」という名称だったが、HD Photoへと変更された。HD PhotoはWindows Vistaでサポートされている。
HD Photoでは、画像の表示したい部分のみを送信し、解像度を変えてネット上で公開することができる。これにより、高解像度の写真を拡大表示する際に大きな画像をダウンロードしなくてすむため便利だ。これは、ネット上で画像の細部まで表示するMicrosoftの「HD View」ソフトウェアで使用されている技術である。HD Viewを採用している団体には、Xrezがある。
しかし、同技術の普及を目指すMicrosoftの前には、大きな問題が横たわっている。Vistaに組み込まれたことは大きな一歩といえる。さらにPhotoshopのパブリッシャーであるAdobe Systemsからの支持も追い風だ。しかし、JPEGはすでに盤石の体制にある。標準化がJoint Photographic Experts Group主導によるものであれば、業界他社、特にMicrosoftに対し警戒心を抱く企業にこの規格の採用を奨励することができたかもしれない。
しかし、標準の中には広く普及するに至っていないものが数多く存在する。HD Photo/JPEG XRをカメラに直接組み込み、写真家らが発端となってこれを使い始めれば、流れをHD Photo/JPEG XRに引き寄せることができるかもしれない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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