富士通は5月16日、同社のソリューションを一同に集めたイベント「富士通フォーラム2007」の内覧会で、世界最小のウルトラモバイルPC「FMV-U8240」ほか新ネットワークサービスなどを発表した。
「FMV-U8240」は重さ約580g、5.6型ワイド液晶を搭載した超小型・軽量のウルトラモバイルPCだ。まずは企業向けノートPCのラインアップとして、6月中旬より発売する。
インテルが2007年4月に発表したプラットフォーム「Intel Ultra Mobile Platform 2007」を採用しており、OSはWindows Vista BusinessもしくはWindows XP Professionalのいずれかが選べる。HDDは20Gバイトで、バッテリーは最大約8時間の駆動する。無線LANやセキュリティチップや指紋センサーも搭載し、世界最小と小さいながらもこれまでのFMV-LIFEBOOKシリーズと遜色ない仕上がりとなっている。価格は最少構成で14万4000円〜。
外回りや顧客先でのプレゼンテーションなど、営業担当者や保守担当者のセカンドPCとして需要を見込む。企業モデルとして、法人販売とウェブ販売を開始し、コンシューマ向けには秋頃店頭向けモデルとして展開するとしている。
同日、富士通の企業向けネットワークサービス「FENICS II」を発表した。富士通では1985年から電気通信事業に参入し、ITベンダーが提供することを強みとしてさまざまなネットワークサービスを提供してきた。
近年では、顧客の要件が多様化しており、IT TVなど大容量の配信、ECサイト、証券取引、医療現場など、安全で信頼でき、かつ安定した品質のサービスが求められているという。
富士通経営執行役 ネットワークサービス事業本部長の川妻庸男氏は、これまでを振り返り、「技術は進歩したが、便利に使えていないのではないか。それらの事情を背景に、FINICSのバックボーンを作り直し、FENICS IIへとバージョンアップした」と語った。現状、新案件の対応リードタイムは、手作業で対応しているため6カ月程度かかるが、FENICS IIでは1.5カ月程度で対応できるとしている。
FENICS IIをベースに、第一弾として、世界170カ国の国や地域を対象にした「FENICSグローバルVPNサービス」を6月上旬より提供する。回線状況が不安定な地域も信頼性を上げてつなげられるという。価格は、中国とのインターネットVPN接続(1Mbps)で月額22万円〜。
また、個人情報を登録した「パーソナルアクセスキー」を用い、キーを搭載したPC端末とFENICS網を組み合わせるなどし、医療や投資などの遠隔コンサルティング現場などで活用できるセキュアな「パーソナルアクセスソリューション」を6月下旬より開始する。利用者100名の例で月額10万円〜。
今後、認証や課金、検索などのプログラムやインターフェースを提供する「SaaSプラットフォーム」の詳細を近日発表すると明らかにした。
現在、FENICS事業を含めたアウトソーシングサービス全体で売り上げ規模は2006年度で4600億円という。新サービス・プラットフォームを核に2008年度6000億円に引き上げる計画だ。
なお、5月17日〜18日まで行われるプライベートイベント「富士通フォーラム2007」を東京国際フォーラムにて開催する。自社製品の展示デモやセミナーなどを実施するもので、入場料は無料。モバイルや次世代ネットワーク、RFIDなどが並ぶ「ビジネスシーン」、内部統制や情報セキュリティガバナンスを集めた「マネージメントシーン」、ストレージやサーバー運用、構築の最適化などを紹介する「インフラ最適化シーン」の3つのシーンと、環境問題に取り組む「環境/ユニバーサルデザイン」および「次世代ERP」を集めたブースにわけ、富士通の各ソリューションを紹介している。
開催に先駆けて16日に開催した内覧会では、ビジネスシーン内にあるカラー電子ペーパーブースや今回発表されたFENICS IIのソリューション紹介、ウルトラモバイルPCが大きな注目を集めていた。会場では、実際にこれらの製品に触れることができる。
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