日本ビクターは米国時間24日、現行のDVDと新しいBlu-rayの技術を組み合わせたハイブリッドディスクの試作版を披露した。同ディスクは33.5Gバイトもの記憶容量をもつ。
Blu-rayは、読み込み専用光ディスク向けの新しい技術。同技術は、高画質映画の配布などを想定して開発されており、ディスク1枚当たりの記憶容量が大きい点が特徴だ。Blu-rayはHD DVDと競合しており、アナリストらはこの状況について、混乱を長引かせるなどの悪影響を市場に及ぼすと警告する。
Jupiter CommunicationsのアナリストMichael Gartenbergは、「どちらの陣営も次世代DVD技術の覇者になろうと躍起になっている。これは21世紀のフォーマット戦争だ。戦いの決着がつくまで消費者は何も買わなくなるだろう。戦いで勝ち残る技術を消費者が見極められるようになるまでは、相当な混乱に違いない」と述べる。
DVDとBlu-rayの両フォーマットに対応したディスクは、このような状況を打開するうえで役に立つ可能性がある。このようなハイブリッドディスクでコンテンツが配布されるようになれば、Blu-rayプレイヤーを買う消費者が増えるかもしれないからである。
「異なる技術をいくつもサポートするプレイヤーを製造するのは容易ではない。そこで注目されるのが今回のようなハイブリッドディスクだ。ただし、これを普及させるためには、このディスクに対応したフォーマットでコンテンツが提供される必要がある」(Gartenberg)
日本ビクターは、今回のハイブリッドディスクの登場により、より革新的なコンテンツが登場するものと期待しているという。
同社はリリースのなかで、「このディスクの記憶容量は33.5Gバイトと大きい。将来、この特徴を活かしてさまざまなソフトウェアがこのディスクを使ってリリースされることだろう。例えば、コマーシャル入りのビデオや音楽、ゲームといったコンテンツをすべて1枚のディスクのなかに収めることができるようになる」と述べ、「Blu-rayとDVDを1枚にまとめられるので省資源、省エネルギーにも貢献する」と付け加えている。
同社によるとこのディスクは、DVD2層とBlu-rayディスク単層の3層構造になっており、青色レーザーで外側のBlu-ray層を読み、赤色レーザーで内部のDVD層を再生する仕組みになっているという。赤色レーザーが透過する独自の高機能反射膜を利用することにより、赤色レーザーで内部のDVD層を読み取ることが可能になった。
同社は、製品のリリース時期を明らかにしていない。しかし同社は、業界団体のBlu-ray Disc Associationに対し、同技術を標準として採用するよう提案する予定であることを明らかにしている。同社はまた、58.5Gバイトもの容量を備えた同様のディスクを開発中であることも明らかにした。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス