全日本空輸(ANA)、大学生協東京事業連合、NTTドコモ、ビットワレットの4者は3月28日、大学内における電子マネーEdyの利用を推進する「学生支援プログラム」を共同で展開すると発表した。大学生協や大学の食堂にEdy決済端末を設置するほか、学生の利用が進むようにさまざまな特典を用意する。
まず初めに、2005年4月から慶応義塾大学が同プログラムを導入する。日吉、藤沢キャンパスにおいてEdyが利用できるようになるという。2005年度中には法政大学など合計26大学、学生数にして約14万人が同プログラムを利用できるようになる予定だ。
「ANAマイレージクラブキャンパスカード」をアピールする各社・団体の代表者たち |
ANAは大学生協組合員向けに、ANAのマイルがたまるEdyカード「ANAマイレージクラブキャンパスカード」を発行する。このカードにクレジット機能は付かない。大学生協はEdy決済端末やEdyチャージャー(現金入金機)を設置して、ANAマイレージクラブキャンパスカードやNTTドコモのおサイフケータイを使ってEdyで買い物ができるようにする。Edyを使って買い物をするとANAのマイルがたまるため、学生にとっては魅力が高いとみている。また、大学生協で運転免許取得の申し込みやパソコンの購入などをした場合にもマイルがたまるようにする。
ANAマイレージクラブはANAのマイルがたまるカード。2003年6月からはためたマイルをEdyに変換できるANAマイレージクラブEdyカードを発行しており、2005年2月末現在で150万人の会員がいるという。しかし、ANAマイレージクラブEdyカード保有者の内訳を見ると、学生層はわずか4%しかいない。今回の新サービスによりANAは学生の加入を促し、将来のビジネス需要層の早期囲い込みを狙う。
また、会員データベースを利用して学生向けの情報配信も行っていく。これにより、パートナー企業は学生をターゲットにした広告を配信することが可能になる。
大学生協東京事業連合理事長の朝岡良平氏によると、大学生協では2004年から経営合理化の一環として電子決済の導入を検討していたという。ほかの候補としては日本空輸(JAL)のマイルがJR東日本のSuicaにチャージされるJALカードSuicaもあったというが、「学生への還元という観点からANAのプログラムが有利だと判断した」(朝岡氏)とのことだ。
NTTドコモはおサイフケータイでEdyを利用するとマイルがたまるサービス「ケータイ de Edyマイル」の利用を訴えていく。大学で利用できる点をアピールし、おサイフケータイの販売促進を行いたい考えだ。なお、NTTドコモのiモードFeliCa対応端末の出荷台数は2005年2月21日時点で約216万台という。
ANAマイレージクラブEdyカードの場合、発行手数料が500円かかるが(ただし9月30日までは無料キャンペーン中)、ANAマイレージクラブキャンパスカードは発行手数料を無料とする。入会金、年会費も無料だ。また、通常1万マイル以上で特典交換ができるのに対し、ANAマイレージクラブキャンパスカードは5000マイルからEdyに交換することができるとしている。
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