インターネットショッピングモール事業などを手がける楽天と全日本空輸(ANA)は3月25日、両者の展開するポイントプログラムのポイントを相互に交換可能にする提携を結んだ。
楽天は、ショッピングモール利用者向けに購入金額の1%をポイントとして蓄積し、楽天加盟店での決済に利用できる「楽天スーパーポイント」プログラムを2002年11月から展開している。楽天の会員(ID登録)数は2004年3月に500万人を突破している。ANAは、航空券購入や提携店舗での決済額に応じたポイントを蓄積し、航空券や記念品、Edyなどに交換できる「ANAマイレージクラブ」プログラムを展開しており、約1000万人の会員を有する。
全日本空輸の大橋洋治 代表取締役社長(左)と楽天の三木谷浩史 代表取締役会長兼社長 |
両者の代表取締役社長がそろった会見の席上では、提携の利点として、両者の顧客層が重なっておらず、互いに新規顧客の開拓が可能な点が強調された。ANAの顧客には男性ビジネスパーソンが多く、楽天には女性顧客が多いことから、両者が互いに現在持たない層の顧客にアピールできるとして提携が実現した。ANAの大橋洋治 代表取締役社長は、グループでのべ2400万人の会員を持つ楽天との提携の効果として「100億円規模の売上増が見込める」としている。マーケティング戦略の中核をなすポイントの相互交換について、楽天の三木谷浩史 代表取締役会長兼社長は、「両社ともに思い切った判断」としたうえで、「魅力あるANAのポイントと交換できることで、楽天スーパーポイントの差別化が図られる」と説明する。楽天スーパーポイントは、これまでもカード会社のポイントプログラムなどと提携を結んでいたが、楽天スーパーポイントを外部に持ち出せる提携は今回が初めてとなる。
今回の提携により、2004年7月1日から9月30日までの間をテストマーケティング期間として、ANAマイレージクラブの1万マイル特典として1万ポイント分の楽天スーパーポイントへの交換を可能にする(先着1万名)。同時に、楽天スーパーポイント100ごとにANAマイレージクラブ50マイルへの交換も可能になる。ANAから楽天へのポイント移動については、この期間が終了してから再度詳細が決定される。なお、1月時点で有効なANAマイレージの総計は400億マイル。楽天スーパーポイントの総計は公表されていない。
会見の席上では、旅行関連業務での提携もあわせて発表された。4月1日から、ANAの携帯端末用予約サイトで「旅の窓口」の宿泊予約サービスが利用可能になる。宿泊金額200円につき1マイルが加算される。また、旅の窓口の携帯端末用予約サイトにANAチケット予約のメニューが追加される。
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