デジタル家電の影の主役になったHDD - (page 2)

永井美智子(CNET Japan編集部)2004年08月20日 17時00分

  携帯オーディオプレイヤーの競争激化に伴って、 今後は小型HDDメーカー間のシェア争いも激しくなりそうだ。6月にはHDD市場でトップシェアを誇るSeagateが容量5Gバイトの1インチHDDを発表して話題を呼んだ。このHDDはCreative Technologyの製品に搭載が決まっている。

  東芝は、1.8インチHDDの生産量を月産60万台に増産した。第3四半期には60Gバイトの1.8インチディスクを発売するほか、0.85インチHDDの量産を開始する予定だ。

  一方で、iRiverなどに納入実績のあるCorniceはSeagate TechnologyとWestern Digitalからそれぞれ特許侵害訴訟を起こされたことも明らかになっている。

HDDレコーダーは250Gバイトから400Gバイトに

  HDDが活躍するもう1つの家電製品がDVD/HDDレコーダーだ。アテネオリンピックの開催に合わせ、各社から長時間録画が可能な大容量HDD搭載機種が発売された。現在の最上位機種の主流は250Gバイトだが、それを上回る製品も出てきている。

  DVDレコーダー市場で35.7%とトップシェアの松下電器産業は、3月に250GバイトHDD搭載のDVDレコーダーを発表。長時間録画が可能なEPモードによって、最大約443時間の録画ができるようになった。

  昨年11月に発売したスゴ録で一気にシェアを奪い、22.1%と第2位の座につけたソニーは、7月にPSXの後継機種を発売した。HDD容量は最大250Gバイトと変わらないものの、HDDからDVDへのコピー機能を強化している。

  ソニーにシェアを奪われた格好の東芝とパイオニアは新製品で巻き返しを狙う。パイオニアは5月、250GバイトHDDを搭載し、HDDからDVDへのダビングが55倍速でできる機種を発表した。

 東芝は6月、地上アナログチューナーとMPEGエンコーダーをそれぞれ2つ搭載し、HDDに2番組同時録画が可能な「W録」を発表。HDDの容量は他社を上回る最大320Gバイトとなっている。

  4月にDVDレコーダー市場に本格参入した日立は、日立GSTが開発した400Gバイトディスクを搭載した機種を発表した。ブランド名をプラズマテレビと同じ「WOOO」とし、HDD搭載チューナーとプラズマテレビのセット商品も展開している。

大容量化は今後も進む

  2003年12月には地上デジタル放送が始まっており、今後はハイビジョン放送の映像をそのままの画質で録画しておきたいというニーズが増えると各社は見込む。ここに大容量HDDへの需要があるというのだ。

  また、DVDレコーダー市場も参入企業が増え、価格競争が激しくなっている。製品単価を高水準に維持するための付加価値として、大容量HDDが欠かせないという思惑もあるようだ。

  IDC Japanの調査によれば、2002年の国内HDDレコーダー市場は出荷台数が46万台、出荷金額は518億円。2007年には500万台に達するという。2005年には160Gバイト以上の製品が出荷台数の半数を占める見込みだ。

 

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