チップメーカー最大手のIntelでは製品の出荷延期が続いているが、今度は4GHz版Pentium 4の出荷が2005年第1四半期以降にずれ込むことになった。
同社が米国時間29日にPCメーカー各社に公表した製品計画によると、4GHz版のPentium 4の出荷が、当初の今年第4四半期から来年の第1四半期に変更になったという。同社広報担当のHoward Highは、今回の延期によって、発売時には適切な数量のチップを確実に出荷できるようになる、と話している。
「われわれは完成度を確実に上げられるよう努力している」(High)
Intelでは、2004年に入って製品関連の問題や延期が相次いでいる。これを受け、同社CEO(最高経営責任者)のCraig Barrettが社員に電子メールを送り、製造および運営の早急な強化の必要性を通告したばかりだった。
同社の現在のフラッグシップ製品である、デスクトップ用のPrescottおよびノートPC用のDothanも、それぞれ何度か発売延期を経た末にようやく市場に出たものだった。Intelはまた、エンターテインメント向けの機能強化を図ったGrantsdaleチップセットの一部についても、リコールを余儀なくされた。
さらに最近では、Grantsdaleと同じチップセットのノートPC向けバージョンにあたる「Alviso」(開発コード名)が、2005年第1四半期まで発売を延期されている。また同社では、最新チップのリリース時に適切な数量を提供するという点でも問題が散発している。
製造の遅れはIntelにとって深刻な懸念材料だ。複数のアナリストや、Les Vadaszを含む同社幹部らは、Intelが巨大企業になれたのは優れた生産能力があったからだとしている。Vadaszは、同社に4番めに入社した社員で、同社の歴史の中でも中心的な役割を果たした人物の1人である。またBarrett自身も、製造や材料を研究した専門家として、出世の階段を上ってきた人物だ。さらに、1999年に製造に関する一連の問題が発生した際には、Advanced Micro Devices(AMD)にマーケットシェアを奪われてしまった。
チップの高速化は、メーカーによる既存チップの価格引き下げを可能にするため、マーケットシェア戦争でも重要だ。メガヘルツ単位で表されるチップの速度は、登場初期の頃とは違い、全体的な処理性能を正確に示すものではなくなっている。そのためメーカー側でも、あまり動作速度を強調しなくなっている。それでも、動作速度が速ければ処理性能は向上する。
なお、いわゆる「Wintel同盟」でIntelのパートナーにあたるMicrosoftでも、今週に入ってWidows XPの64ビット版の出荷を延期せざるを得ないことになったと発表していた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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