米Hewlett-Packardは、日本を含むアジア12カ国でLinux搭載PCを販売する。Linux OSにはターボリナックスのTurbolinux 10 Desktop(10D)を採用した。発売は6月となる見込み。
これはターボリナックス代表取締役社長兼COOの矢野広一氏が3月16日に明らかにしたもの。正式なプレスリリースは同日午後5時に発表されることになっている。またHPは、米国時間16日にサンフランシスコで開催予定の第1回Open Source Business Conferenceのスタートに合わせ、このアジア市場向けマシン発売を宣伝する予定。この製品は企業向けのものだと、HPは声明のなかで述べている。
10Dは2003年10月に発売され、現在までの国内出荷本数は約2万本。Windowsの外観や操作性などとの互換性を備え、WindowsとLinuxを同一PCにインストールできるデュアルブート機能を持つ点が特徴だ。現在は量販店でパッケージ販売されているほか、ノーブランドのホワイトボックスPCにバンドルされて売られている。対応言語は日本語、中国語、英語の3つ。
Linuxはサーバやデジタル家電での採用が進んでいるが、MicrosoftのWindowsが独占状態にあるデスクトップではなかなか普及していなかった。しかし昨年秋ごろからデスクトップLinuxに対するベンダーの動きは活発化している。2003年11月にボストンで開催されたDesktop Linuxカンファレンスでは、Red HatとIBMが、それぞれデスクトップLinux戦略について詳細を発表している。 また、Sun MicrosystemsもデスクトップLinuxの普及を積極的に進めている。ただし、同社はJava Desktop Systemを推進しているだけで、実際にハードウェアを販売しているわけではない。
そのほか、それまでサーバでのLinux利用に重点を置いてきたOpen Source Development Lab(OSDL)は、2004年1月にデスクトップLinuxワーキンググループを立ち上げた。
HPには、全世界で最も多くPCを販売しているという、ライバル各社にはない優位性がある。HPがLinux PCを発売するという事実は、このオープンソースOSがビジネス向けに十分使え、市場を支配するWindowsに対抗できると同社が判断したことを示すもの。今回のHPの正式決定で、デスクトップLinuxの普及にはずみがつく可能性がでてきたといえるだろう。
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