iPhone、iPad、Kindleなど、デジタル化した書籍を読むためのデバイスの選択肢は広がったものの、肝心の「電子書籍」のラインアップはまだ多いとはいえない。そのため、自分の蔵書を裁断してスキャンし、デジタル化する「自炊」という行為を楽しむ人が増えている。
本書は、これから自炊をしたいがどのような機材が必要なのか分からない人や、目的に合った道具を知りたい人に大いに参考になる一冊だ。自炊のメリットとデメリットをおさえた上で、本の著作権をはじめ、自炊した後に「してはいけないこと」や「すべきではないこと」を確認できる。自炊を楽しむ人なら、一度は目を通しておくべきだろう。
資料として参照しやすいデバイスの画面サイズ、スキャナ、裁断機などの比較や設定方法といった技術情報のほか、自炊を楽しむさまざまな人へのインタビューで、その人なりの楽しみ方を知ることができるのも面白い。
また、他書では絶対に見られない大きな特徴が本書には1つある。それは、「裁断用の点線」が表紙の裏表にあることだ。よく見ると、ページ内のレイアウトも自炊に最適化されているようだ。周囲の余白が少なめで、点線で裁断した時にページ左右の余白がほぼ同じになるようになっている上、ページ番号がくっきりとしている。揃えた道具で最初に自炊する本が本書になるのかもしれない。
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