ディスプレイメーカーのE Inkは米国時間11月9日、新しいカラー電子ペーパー「E Ink Triton」を発表した。これにより、電子書籍端末のカラー対応が可能になる。E Inkの関係者は米CNETに対し、中国の電子書籍端末ベンダーHanvonが同技術を使った初めてのカラー電子書籍端末を、中国で2011年3月にリリースする予定だという。
Hanvonの会長であるLiu Yingjian氏は声明で、「E Ink Tritonは、電子書籍革命における重大なマイルストーンだ」と述べ、「E Inkは、Hanvonの製品ビジョンを実現するのに相応しい技術、製造キャパシティ、ノウハウを持っている。E Ink Triton技術があれば、Hanvonは、世界初となる(電子インクを使った)カラー電子書籍端末をリリース可能になる」と語った。
E Ink Tritonは、チャートやグラフ、地図、写真、コミック、そしてもちろん広告などさまざまなアプリケーションとコンテンツに適している。E Inkによると、E Ink Tritonを搭載する画面は、16段階のグレースケール表示のほか、数千色のカラー表示が可能であるという。文字とカラー画像はまた、直射日光下での視認性が改善され、端末の電源を切っても画面に保持されるようになっている。
E Inkは、E Ink Tritonの表示速度について、従来の電子インク技術を搭載する端末よりも最大で20%高速化できるとしている。
「E Ink Tritonは、印刷紙のエクスペリエンスを模倣するカラー電子ペーパーディスプレイが求める市場ニーズに応えるものだ」とE Inkの会長Scott Liu氏は声明で述べている。
The New York Timesによると、Hanvonが中国で発売するカラー電子書籍端末は、Wi-Fiと3G接続を搭載し、スタート価格は約440ドルになるという。
また、同記事によると、この新しいカラー電子インクディスプレイは発色が弱く、色あせたカラー写真のようであるとし、画面の表示速度については、フルモーションビデオには耐えられないと報じている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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