自分の近くにいる共通の趣味や目的をもつ相手を発見し、思いがけない出会いを提供するマッチングサービス「Wondershake」は、2011年7月にリリースされた。サービスと同じ社名で活動するWondershakeが6月13日、約1年ぶりとなる新サービス「tsudoi」を正式公開している。これまで試験的に提供してきたiPhoneアプリに加えてウェブサイトを用意する。利用は無料だが、Facebookのアカウントが必要となる。
tsudoiは、「やってみたい」「チャレンジしたい」と思ったことを「集い(イベント)」として作成し、友人やtsudoiユーザーとともに企画、実行するためのサービス。ユーザーは、「今から突発的に飲みに行きたい」「○○というお店に行きたい」「みんなで公園で○○をして遊びたい」といったイベントを、日時や場所、最少、最大の成立人数や公開範囲(全員、友達の友達、友達、招待のみから選択)を設定して作成し、友人を招待する。
イベントに参加したいユーザーは、イベントの紹介画面で「参加する」のボタンをタップすればよい。以後は参加者専用のタイムラインでメッセージをやりとりできるので、開催に向けて参加者間でのコミュニケーションを行うことができる。また、「イベントは気になるが、まだ参加までは決めていない」というユーザーのために、タイムラインでのやりとりを閲覧できる「ウォッチ」機能も用意する。位置情報を元にして、ユーザーの周辺で開催予定のイベントも一覧できる。
イベントが開催されたあとには、「お疲れ様です」「楽しかった」「またやりたい 」「次回は参加します」といった感想をボタン1つで投稿できる。
「2011年の7月から半年ほど展開してきたが、結構難しい分野だと感じた」――Wondershake代表取締役の鈴木仁士氏は、これまで提供してきたWondershakeについてこう振り返る。モバイルを使ったコミュニケーションで、かつ近くにいる知らない人と出会うというニーズは、まだまだ潜在的であり、Wondershakeを提供することでも顕在化しなかった。また、Wondershakeではサービスの性質上、周囲に(出会える)ユーザーが居ないことにはサービス自体を楽しめない。
そんな状況からサービスの方向を転換すべく、チームで検討して出てきたのが、tsudoiのコンセプトだった。「人と出会うときの条件を考え直した。人と出会うことは目的が明確だし、友達が入っている方が出会いやすい。実現しやすいものに考え直したのがtsudoi」(鈴木氏)
だがすでに、国内外でイベント作成ツールは数多く登場している。その差別化要素としてWondershakeでは、「突発的に集まれる、出会えるサービス」というコンセプトを立て、Wondershakeのソースを流用しつつ、tsudoiの初期バージョンを1月に作り上げた。
「そこで分かったのは、人はやりたいこと、行きたいお店などをいろいろ持っているということ。だが、そういう思いを出せる場は実はあまりないことが分かった。Twitterで『ゆる募(ゆるく募集の意味)』するくらい。Facebookのイベント機能にしても、ATNDにしても、既存サービスで大々的に出しにくいもの。やりたいことをまず発信して、そこからさまざまな人が集まればいいと思ったのがtsudoiのベース」(鈴木氏)
その後3月〜4月にかけてシンガポールにて開発合宿を実施。1000人規模でベータテストを始め、正式リリースに向けたブラッシュアップを行ってきた。1カ月半のテストで180件のイベントが作られ、その実施率は60%超となった。「友達と一緒に何かをやるだけでなく、オープン(全体に公開)でやりたいというものも多かった」(鈴木氏)
メインユーザーとして狙うのは時間に余裕のある学生。社会人が週末に利用といったケースも想定する。将来的にはプロモーション向けのイベント掲載などで収益化を狙う。
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