平均年齢23歳のチームが目指すのは、いつでもどこでも便利に使えるインターネットの価値観を「チェンジ」すること――7月4日、ローカルコミュニケーションサービス「Wondershake」がiPhoneアプリとしてリリースされた。
2011年3月にテキサス州オースティンで開催されたSouth by Southwest 2011(SXSW 2011)で注目を集めたサービスにローカルコミュニケーションサービスの数々がある。「Yobongo」や「Beluga」「GroupMe」などのほか、日本からも頓智・が「DOMO」のコンセプトを発表した。各サービスとも特徴はそれぞれあるが、その根幹にあるのは「近くの誰かとコミュニケーションする」というものだ。
Wondershakeもその流れのをくむサービスの1つだ。使い方はまず、ユーザーがFacebookのアカウントを使ってサービスにログインする。すると、ユーザー自身の興味(たとえばLikeしているページなど)がサービスに反映される。
次にユーザーがサービスを提供するエリアに「Shake」と呼ぶアクションをすることで、そのエリアのスポットやイベントとつながり、同じタイミングでそのエリアとShakeしている別のユーザーを発見できる。つまりここで自分の興味が他人と共有されることになる。
同じエリアにいる興味を共有できるサービスであれば、「近くにいるんだから、オンラインでつながるだけでなく、直接しゃべればいいじゃないか」ということを考える人がいるかも知れない。この疑問に、この手のローカルコミュニケーションサービスが抱える課題――つまり、このサービスで会話をする意味は何か――が集約されている。
Wondershakeの答えは「つながりを作る」ことだ。たとえば六本木界隈で「起業」に興味を持つユーザーが見つかれば、Shakeした後でグループチャットを始めることができる。「その話題がアツいうちに話を始められる。場合によっては実際に会える」(Wondershakeの鈴木仁士氏)。それこそが魅力なのだ、と。
彼らが提供を予定しているエリアは全部で7つ。サンフランシスコ、ボストン、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンディエゴ、シンガポール、そして渋谷だ。サービスは渋谷から開始し、順次エリアを拡大する予定だという。
Wondershakeは平均年齢23歳のチーム。法人化は現在準備中で、リーダーを務める鈴木氏は現在も国際基督教大学に通う現役の大学生だ。彼は幼少期から15歳までを海外で過ごし、高校生の時に日本へ帰国、大学生の今もシリコンバレーで活躍する起業家にインタビューするため渡米するなど、フットワークが軽い。
だからこのチームは“海外を狙う”という表現があまりしっくりこない。日本も世界の一部としてマーケティングターゲットを大きくとらえているといった方が正しいだろう。8月にも渡米を予定しており、チャンスがあれば全員で拠点を移す可能性もあるそうだ。「ネットの価値は、時空を超えられることだと言われてきた。だから僕らはあえて時空を超えさせないサービスにトライする。『この瞬間、ここにいる』ということの価値を最大化させたい」(鈴木氏)
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