スペイン、バルセロナ発--Mozillaはモバイルネットワーク事業者のTelefonicaとパートナー契約を締結し、ブラウザベースのモバイルOS「B2G」を利用したデバイスの実現に向けて、大きな最初の一歩を踏み出した。
さらに、「Firefox」の開発元であるMozillaは別の一歩についても話した。それは、2012年中にローンチ予定の最初の携帯電話向けにハードウェアを開発するモバイルプロセッサメーカーQualcommとの密接な関係だ。
これら2つは非常に重要な一歩だ。しかし、それらはAppleの「iOS」やGoogleの「Android」と競合するOS、さらにMozillaの壮大な野望を実現するOSを開発するためにMozillaが踏まなければならない多くの段階の1つにすぎない。非営利組織であるMozillaは、人々がiOSやAndroid、Amazonなどのテクノロジ領域の間を行き来するのを困難にする障壁を破壊したいと考えている。
B2Gの最大の売り文句は価格だ。コンポーネントコストはわずか50ドル程度なので、Mozillaは「世界の大部分を(ローエンドの)フィーチャーフォンからスマートフォンに移行させる機会」を開発することができる、とMozillaの最高技術責任者(CTO)で、ウェブ上に遍在するJavaScriptプログラミング言語の発明者でもあるBrendan Eich氏はインタビューで述べた。
Eich氏は、「われわれが構築しているのは、多くの人が購入できる価格の携帯電話だ」と述べた。同氏は、「これらは高額なハイエンドスマートフォンではない」と話すが、ウェブアプリはローエンドのハードウェア上でも高速に動作するので、メーカーはそれほど多くを費やさなくても良好なパフォーマンスを達成できる、と考えている。
予想どおり、Mozillaは当地開催のMobile World CongressでB2Gのパートナーを発表した。
B2GはBoot to Geckoの略語である。「Gecko」はFirefoxでウェブページをレンダリングし、ウェブアプリを実行するエンジンだ。B2Gの内部には、あるバージョンのLinux(オープンソースの「Android」ソフトウェアの変種)が搭載されているが、それはプログラマーには見えない。プログラマーはHTMLやCSS、JavaScript、WebGLなどのウェブテクノロジを使って、ウェブアプリを記述する。
プログラマーの圧力によって、AppleとGoogleも最終的に自らのウェブ基盤を改善しようという気になるだろう、とEich氏は考える。そしてそれは、1つのエコシステムでのみ動作するネイティブアプリではなく、さまざまなデバイスで利用可能なウェブアプリを構築するさらに強い動機をプログラマーに与えることを意味する。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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