ネットスクリーン最後の新製品は次世代ASIC採用--購入時はジュニパー製品に

藤本京子(CNET Japan編集部)2004年04月14日 19時19分

 ネットスクリーン・テクノロジーズ・ジャパンは14日、統合セキュリティゲートウェイ製品NetScreen-ISG 2000の出荷を開始したと発表した。ファイアウォールとVPN、侵入検知防御(IDP)等の機能を統合したこの新製品は、ネットスクリーンの第4世代ASICを採用し、完全なモジュラー型システムとなっている。

 ネットスクリーンは今年2月にJuniper Networksによる買収が発表されたばかりだが、この買収は「今週末にも完了する予定」(ネットスクリーン・テクノロジーズ・ジャパン代表取締役、原田英明氏)という。今後のJuniperとしての展開についてはコメントできないとしながらも原田氏は、「ネットスクリーンが現在発表している約1年分のロードマップに変更はなく、製品もそのまま提供を続ける。だが、中期的にはJuniperとして出す製品の中にネットスクリーンの技術を組み入れるといったこともあるだろう」とした。

ネットスクリーン・テクノロジーズ・ジャパン代表取締役、原田英明氏

 新製品は、すでに12日より代理店に向けて出荷がはじまっているという。代理店による製品テストなどを経て、実際にユーザーへと出荷されるのは約1カ月後となる見込み。NetScreen-ISG 2000の価格は、4ポート10/100が885万4000円、8ポート10/100が919万8000円、GBIC搭載型は977万4000円。同様のIPsec VPNファイアウォール製品には、NetScreen-500とNetScreen-5000が用意されていたが、「NetScreen-500のファイアウォール処理能力は最大700Mbpsで、NetScreen-5000は最大12Gと、差が大きかった。ISG 2000の処理能力は2Gで、ちょうど既存の2製品の中間的な存在になる」と原田氏は説明する。

 この新製品用のIDPセキュリティモジュールは、2004年第4四半期にリリースされる予定だという。それまでは簡易IDP機能として、モジュールに組み込まれる予定の2機能のみを、ScreenOSのディープ・インスペクション・ファイアウォールで提供する。今後リリースされる予定のセキュリティモジュールには8機能が用意されている。

 ネットスクリーンの次世代ASIC、GigaScreen3は、前世代ASICに比べ2倍のパフォーマンスとなる3Mパケット/秒のファイアウォール処理能力を備えており、このパフォーマンスは「Cisco SystemsのCatalyst PIX FWブレードに相当する」と原田氏。また、同ASICの暗号処理能力は1.5Mパケット/秒という。このASICで、「今後の製品展開はファイアウォールのしきい値を上げ、アプリケーションレベルまで制御できるようなものになる」と原田氏は述べた。

 Frost & Sullivanの調査によると、2003年度前期のアジアにおけるネットワークセキュリティ市場のシェアは、Nokia/Check Pointの19.8%、Ciscoの19.9%を抜いてネットスクリーンが20.8%でトップとなっている。原田氏によると、ネットスクリーン全社のなかでアジア地域の売上の占める割合は約30%で、そのなかでも日本での売上が約5割に達しているという。

 ネットスクリーンは、2002年のOneSecure買収でIDP機能を手に入れ、2003年のNeoteris買収でSSL VPN機能を手に入れた。ファイアウォールとウイルス対策、そしてこれらの機能を組み合わせることで、ネットワークセキュリティにおける階層的なソリューションを提供してきたネットスクリーン。Juniperとの統合後、ソリューションの幅はさらに広がるのかもしれない。

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