グーグルは5月25日、開発者向けの年次カンファレンス「Google I/O 2010」で発表した動画規格「WebM」と、ウェブアプリストア「Chrome Web Store」について、日本向けに説明会を開いた。
同社シニアエンジニアリング マネージャーの及川卓也氏は、Google I/Oでの講演内容に触れ、「人々は今後5年間のうちウェブに費やす時間が最も多くなるだろう」と説明。また、最新の標準技術を取り入れた“モダンブラウザ”の登場により、さらなるウェブの発展が期待できるとしている。
WebMプロジェクトでは、Googleが買収したOn2 Technologiesのビデオコーデック「VP8」をはじめ、オーディオコーデック「Vorbis」、映像や音声、字幕などのデータをまとめるメディアフォーマット「Matroska」を採用する。次世代HTML仕様「HTML5」のビデオタグ「
及川氏は、「これまで各社のしがらみにより1つのコーデックで複数のブラウザに対応するものがなかった」とし、「動画がオープンでないため、技術革新の阻害になっている」と述べている。
ソフトウェア業界ではOperaやMozillaなどがサポートを表明しており、ハードウェアやプラットフォーム、パブリッシャーの各業界からも著名なメーカーがサポートを表明しているという。WebMでの動画は、HTML5をサポートしたベータ版サイト「YouTube」で対応ブラウザを使って視聴できる。
今後は、すでにアップロードされている動画もWebMにトランスポートする予定で、将来的にはすべてのブラウザでWebMの動画を視聴できるようにするとしている。
Chrome Web Storeでは、インストールしたウェブアプリをサムネイル表示したり、Google Chromeの学習によりおすすめのウェブアプリを表示したりできる。ユーザーはウェブアプリの検索が容易になり、開発者はウェブアプリを提供する場を設けられるとともに収益化を図れるといったメリットがある。また、Google Chromeのアクティブユーザーは7000万人にのぼるといい、これらのユーザーに対して開発者はリーチできるとしている。
ウェブアプリはFlashやHTML、CSS、Javaといった技術で開発できるほか、「ネイティブクライアント」と呼ばれるアプリ技術も採用している。ネイティブクライアントでは、ゲーム業界で頻繁に使われているというプログラミング言語「C++」を採用しゲームをブラウザ上で動かせる。
今後は日本を含む40カ国語以上に対応させるとともに、開発者向けにプレビューを公開する予定だ。
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