ルネサンスの三大発明である活版印刷が世界中に与えた影響と同様に、ウェブもまた500年先まで残り続ける――。Opera Software共同創業者のJon S. von Tetzchner氏と、同社最高技術責任者(CTO)のHakon Wium Lie氏が来日し、ウェブの未来について語った。
同社は1995年、Tetzchner氏とGeir Ivarsoy氏により設立された。資本金は当時7000ドルだったという。Tetzchner氏は、「MicrosoftはすでにInternet Explorerを開発しており、Netscapeの時価総額やユーザー数を見ても、後発のOperaは周囲から厳しいと思われていた」と語る。そうした同社は1997年に最初の製品「Opera 2.1 for Windows」を発表した。
その後、「Netscapeが急激に成長し、急激にシェアを落とした歴史を振り返ってみると、Operaは規模は小さいながらも過去15年間少しずつ成長を続けている」とし、「Netscapeのピーク時のユーザー数よりも、現在のOperaのユーザー数の方が多くなることができた」とTetzchner氏は述べている。
このような成長を続けている背景として、「ユーザーの声を取り入れた製品開発に注力してきたため」(Tetzchner氏)としており、広告などに費やす資金がなかった頃からユーザーとともに製品をテストし、拡大させてきたという。「Operaが常に心がけているのは、ユーザーを大切にし、コミュニティを育てていくこと」(Tetzchner氏)としている。
Tetzchner氏によると現在、世界の人口のうち4人に1人がネットにアクセスしているという。Operaの大きな目標の一つは、現在ネットにアクセスできない人たちに対しても、先進国のユーザーと同様にネット環境を提供することという。
OperaはPC向けのほかに、携帯端末向けやテレビ向けの製品を用意しており、「十分な通信インフラが整っていない国々からもネットが利用できるように製品を開発している」とTetzchner氏は説明している。
Lie氏は1999年にOperaに入社。Operaに入社する前はウェブ技術の標準化を進める団体「World Wide Web Consortium(W3C)」に勤務しており、在籍中にウェブページのレイアウトを定義する規格「Cascading Style Sheets(CSS)」の概念と仕様を作った人物だ。同氏は、「Operaが当時、最も上手くCSSを実装できた」とコメントしており、「ソフトは米カリフォルニア州だけでなくノルウェーでも開発できることに気付いた」と当時の様子を振り返った。
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