動画圧縮技術を持つOn2 Technologiesの買収を計画しているGoogleは、なおも懸念を示すOn2の株主を揺さぶるための「最終提案」として、新たな条件を発表した。
米国時間12月29日に証券取引委員会に提出された資料によると、GoogleのクラスA普通株とOn2株の交換比率を0.001対1とする申し出を検討するための株主総会を、On2は2度延期している。同社が実現したいと考えている買収について株主に納得してもらうための時間を確保するためだった。2010年1月7日にOn2とGoogleは、Googleが現金で1株あたり15セント追加して支払うと発表した。
6日のOn2株の終値は59セント、同日のGoogleの終値608.26ドルだった。以前の条件で計算すると総額1億740万ドルでの買収ということになるが、現金による新たなインセンティブは2650万ドルに相当し、新しい条件では25%近く増えて1億3390万ドルでの買収となる。
両社は声明の中で、「On2の株主に提供する対価を現金で1株あたり15セント上乗せする結果、株主が所有するOn2の普通株に対して受け取る追加的な価値は、2009年8月の発表前後に買収が完了していたとすればOn2の株主が受け取っていたはずの価値をよりよく反映するものになると、GoogleとOn2は考えている」と述べ、「GoogleがOn2の株主に提示した対価の上乗せは、Googleの最終提案」だとしている。
On2の株主は2月17日の株主総会でこの買収について投票できる。On2の取締役会はGoogleによる買収を承認している。両社は2009年中に買収を完了したいと考えていた。
動画データのエンコードとデコードを行う「コーデック」技術をライセンスするOn2にGoogleがどのような価値を見出したのか、正確なところは明らかでない。人気ビデオサイトのYouTubeを持つGoogleは、ウェブベースのビデオストリーミングに強い関心を示している。またGoogleは、ウェブブラウザにビデオ機能を組み込むことにも取り組んでいる。同社の「Google Chrome」の場合、動画コーデックはH.264とOgg Theoraの両方に対応している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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