UPDATE すべての親がそうであるように、Microsoftは自社製品の成功を誇らしげに語るのが好きだ。同社が「Hotmail」について語るとき、この無料のウェブメールサービスのアカウントが、少なくとも世界規模では、他のどの競合製品よりも活発に利用されているという事実が、最初に語られることが多い。
しかし企業幹部らは、Hotmailの欠点にも気が付いている。近年では、ウェブメールに会話ビューやモバイル同期などの機能を追加することに関しては、ライバル企業であるGoogleやYahooの方が先を行っている。また、Yahooの方が米国内のアカウント数は多く、GoogleはHotmailよりも急速に成長している。個々の機能に限らず全体的にも、Hotmailは技術的リーダーというよりは技術に遅れているとみなされるようになりつつある。
Microsoftのコーポレートバイスプレジデントを務めるChris Jones氏は米国時間5月17日、サンフランシスコでのブリーフィングにおいて「われわれは、われわれが望む位置にはいない」と述べた。
この状況を打破しようと、Microsoftは、子育てにおける重要な教訓を適用することにした。つまりわが子に、共有の精神を教えるのだ。
「Windows Live Hotmail」の次期バージョンの主要な特長は、ウェブベースの編集ツールとクラウドファイルストレージの組み合わせによって、写真や「Office」文書の共有機能が改善されている点である。2010年7月か8月にほとんどのユーザー向けに提供開始予定のこの新しいバージョンでは、標準的な添付ファイルに代わる、優れた機能を提供する。Hotmailでは、ファイルそのものを送信する代わりに、ファイルまたは写真をMicrosoftの「SkyDrive」サービスにアップロードし、リンクを電子メールで送信するというオプションが提供される予定である。この手法には、いくつかの利点がある。例えば、ビデオ、プレゼンテーション、大容量の写真コレクションなどの共有をしばしば困難にする、ファイルサイズの制約の問題を回避することができる。受信者は、ファイルをダウンロードするか、写真の場合には、オンラインのスライドショーを表示することができる。
新しいバージョンでは、ユーザーは、Hotmailから離れることなく、Flickr、SmugMug、Hulu、YouTubeなどのサードパーティサービスによる写真やビデオを閲覧することも可能である。刷新されたHotmailには、ユーザーが、特定の送信者からのメールを新しいフォルダやごみ箱に容易に振り分けることのできる、新しい「Sweep」オプションも追加されている。
「今回のアップデートは、これまでの中で最も大規模なものだと思う」とJones氏は述べた。少なくとも、Microsoftにとっては、最も大きな動きであることは間違いない。同社がHotmailを完全に刷新したのは、4年前のことである。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」