匿名で寄せられた物議を醸す極秘情報を公開してきたWikileaksにも、多くの従来型メディア企業と共通する点が1つある。資金難だ。
Wikileaksはこれまで、9.11米同時多発テロにおけるポケベルの極秘メッセージを公開したほか、銀行やサイエントロジー教会を相手に争ったり、キューバのグアンタナモにある米軍基地の内部構造を暴露したり、Sarah Palin米副大統領候補(当時)による電子メールの一部を公開したりしてきた。
だがここへきてWikileaksは、少なくとも一時的な措置としてサイトを閉鎖した。
Wikileaksのサイトには米国時間2月1日時点で、次のような記載がある。「2010年に入っても生き延びるために必要な資金の調達に注力するため、不本意ながら他のすべての業務を停止せざるを得ないこととなったが、近いうちに再開する予定だ。われわれは2010年に向けて、これまでに13万ドル強を調達したが、諸経費を賄う金額に達しない限り、活動を有意義に継続することができない。これには年間20万ドル弱かかる。人件費を考慮すると、年間予算は60万ドルになる」
今後については、これまでに寄付を寄せていた「人権活動家や、調査活動に携わるジャーナリスト、技術者、一般市民」の層を超えて呼び掛けていくという。
「われわれは、破綻銀行や米国の強制収容システム、イラク戦争、中国、国連をはじめ、各所から無数とも言える情報を入手しているが、現時点で公開するための資金がない。この状況を変え、それによって世界を変えられるのは、あなただ。10ドルでも、情報のうちの1件を1万人の手に届ける費用がまかなえる。1000ドルとなれば100万人に届けられる」と、Wikileaksのサイトには記載されている。
Wikileaksによれば、これまでに獲得した各種の賞では「経費は出ない」という。「政府や企業からの寄付を受けては、絶対的な独立性を維持できない。われわれの自主性と力を維持できるのは、あなたの強力な支援だけだ」と、Wikileaksは述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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