2009年は不景気の影響もあり、暗い話も多い1年だった。ただ、ネット業界を見渡すと新たなサービスやブームも生まれている。ここでは2010年を展望するためにチェックしておきたい2009年のネット業界10大ニュースを独断と偏見でピックアップして紹介する。
2007年に米国で開かれたイベント「South by Southwest 2007」(SXSW)で注目を集めたTwitterが日本でも今年、ブームになった。米オバマ大統領が選挙戦に使ったことに加え、米国ハドソン川での旅客機不時着の様子がTwitterでいち早く伝えられたり、イランの大統領選挙選で情報統制を潜り抜ける手段として使われるなど、社会的な存在感を増している。日本でも作家や音楽家、俳優など、日本でも著名人が使い始めたことで知られるようになり、マスメディアでも特集が組まれるようになった。
8月には歌手の広瀬香美さんが経済評論家の勝間和代さんのすすめでTwitterを始め、「ビバ☆ヒウィッヒヒー」という楽曲を発表し、Twitterユーザーに衝撃を与えた。また、国会議員などでも利用者が増えており、12月26日には原口一博総務大臣が@kharaguchiというアカウントを開設して積極的につぶやいている。
ただ、本人になりすましたアカウントの問題も起きている。12月には鳩山由紀夫首相になりすました人が登場し、問題となった。27日にはなりすました本人が自身のブログで謝罪している。なお、当該のアカウントはTwitterによって停止されている。
大きな影響力を持ち始めたTwitterは、巨人GoogleやMicrosoftも動かした。Twitterのつぶやきがリアルタイムに検索結果に表示されるようになったのだ。この提携により、TwitterはGoogleから1500万ドル(邦貨換算で約14億円)、Microsoftから1000万ドル(同9億円)を手にしたとBusinessWeekは伝えている。
2009年はネットの利用に関して法律面での動きが大きかった。最も広範な影響があるのが、6月12日に成立した著作権法の改正だ。2010年1月1日に施行されるこの法律により、検索サービスを提供するためのコンテンツの複製などが正式に認められた。同時に、海賊版のネット販売に罰則が設けられ、私的利用であっても著作権者などの許諾を得ずにインターネット上にアップロードされたコンテンツをダウンロードすることは違法となる。
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