2008年6月、ソニーの現会長兼社長でCEOのハワード・ストリンガー氏が「ソニー製品の9割がネット対応になる」との中期計画を発表した。現在ハードウェアとネットの関係を最も重視している家電メーカーの1つであるソニーが、ハードウェア「BRAVIA」とネットサービス「Life-X」の連携と取り組みについて語った。
8月29日に開催されたシーネットネットワークスジャパン(現:朝日インタラクティブ)主催のイベント「CNET Japan Innovation Conference2009〜ネットサービスで変革する情報機器・家電の世界」(CJIC 2009)で「BRAVIAがネットにつながることで、どんなことをお客様に体験していただきたいかを紹介したい」(ソニーマーケティング ディスプレイMK部 田島亮氏)といってソニーは講演をスタートした。
BRAVIAは、薄型テレビの中でも独自のウィジェットサービス「アプリキャスト」の採用や、DLNAを用いた「ルームリンク」の内蔵など、ネットとの親和性が高いモデルだ。各社のテレビがネット機能に差をつけているのに対し、BRAVIAでは全シリーズでネット機能をサポートしている。
「“見る”テレビから“できる”テレビへ」。ネットとつながることによってテレビの立ち位置は変わると田島氏は話す。「見るテレビとは同じ番組を基本的に見るだけのもの。これからのできるテレビは、一方的に番組を見つつ双方向的にユーザーの好みのコンテンツ映し出すもの」(田島氏)になるという。
できるテレビの機能の1つとして紹介された「ブラビアポストカード」は、携帯電話やパソコンから、写真とメッセージをBRAVIAへ送れる機能。「携帯電話についているカメラも画素数が相当上がってきている。高画素な写真であれば携帯電話やパソコンの小さな画面で見るよりもテレビの大きな画面でみたい。送付した写真は自動で絵葉書調に映し出してくれる」(田島氏)という。
田島氏は「携帯電話やパソコンというデバイスを使うのは高齢者にはまだまだハードルが高い。テレビの簡単な操作で写真を受信できれば、わざわざプリントアウトして送るよりも有効だ」と続ける。
できるテレビの第2弾として紹介されたのは「FeliCa搭載リモコン」。これはリモコンに搭載されたFeliCaポートに、対応カードやおサイフケータイをかざすだけで電子決済ができるというシステムだ。
「テレビ向けのネットサービス『アクトビラ ビデオ』などでコンテンツを購入するとき、従来はリモコンでクレジットカード番号を入力して決済していた。その際、カード会社を選択したり、セキュリティコードを入力したりといちいち面倒くさい。FeliCaポート搭載リモコンがあれば、Edyカードをかざして決済ボタンを押すだけ。すごく簡単に決済ができる」とのこと。「将来的にはCMにクーポンや特典を表示し、リモコンにカードや携帯電話をかざすことでポイントをゲットできるようなサービスも導入していきたい」(田島氏)と今後の展開も語った。
もう1つ、今後の取り組みとして話したのが携帯電話とテレビの通話。「ブラビアポストカードで携帯電話とテレビのメールのやりとりができるようになった。これに満足できないというお客様のために携帯電話とテレビをつないだテレビ電話ができないかと。これができるようになる伝えられる情報量が違うし、複数の人と一度に通話できるようになる」(田島氏)と未来の機能に触れた。
最後に田島氏は「できるBRAVIAがお茶の間にもう一度家族を呼び寄せる」とテレビの前にもう一度家族を集めたいという目標を掲げた。
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