また、紙面では載せきれなかったロングインタビューなども、ウェブには掲載していく。「新聞だと、記者は何か起きたときにまず紙面の枠の大きさを考え、それに合った記事を書く。しかし紙を前提にせず、『新聞記者』ではなく『コンテンツプロバイダー』として何を発信していくかが突きつけられている。紙とウェブを一緒にやることで、新聞記者の意識改革ができるのではないか」(田中氏)
今後はサイトに会員制を導入し、会員限定のサービスを提供する考え。自社の既存サイトの会員サービスとの連携も視野に入れているという。「詳細は検討中だが、インタラクティブなものも入れていきたい」(田中氏)
ネットの無料情報に押されているとも言われる新聞業界。新聞のあり方が見直される時代になっていると、木村氏は語る。
「新聞には、調査報道によって、世の中になかなか出てこないものを掘り下げて読者に提供する機能がある。しかも、オリジナルの情報を単に垂れ流しにするのではなく、『シェフのお任せ料理』のように40ページにまとめて提供する。分析力、解析力に加え、正確な情報に基づいて将来を展望し、読者の人にどんな選択肢を提供するかが重要になってくる」
ネットとの関係も、対立ではなく、共存だと語る。「新聞だけでやっていく、ということはもうない。ネットと組み合わさり、融合しながら、新しい新聞の形を作っていかないといけない。プロフェッショナルとして責任のある深い情報を、『一流シェフ』として提供していく。ただしそれは、『朝日レストラン』に来なければ食べられない、というものではなく、ネットを使って、より多くの世界中の人に届けていく」(木村氏)
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