朝日新聞社、時事通信社、日刊工業新聞社の3社は4月1日より、各社が提供する記事や写真をインターネット上で検索、閲覧できるサービス「キジサク」を開始する。料金は月額6300円から。中小企業や弁護士などの個人事務所を主なターゲットとして提供する。
朝日新聞の本社版、地方版、週刊朝日、AERAの記事のほか、時事通信社が配信するニュースや日刊工業新聞社の新製品ニュース、企業情報などが検索可能となる。
6月にはダイヤモンド社の「週刊ダイヤモンド」、東洋経済新報社の「週刊東洋経済」「会社四季報」も加わる。帝国データバンクの「企業概要」も参加予定という。
運営およびシステムの構築は朝日新聞社が行う。販売については朝日新聞社、時事通信社、日刊工業新聞社の3社で行う。収益は3社で分け合う形だ。
月額の基本料金のほか、検索や記事閲覧の度に課金する従量課金方式をとる。月額基本料金は、8400円分の利用料が含まれたライトコース(約100本の記事が無料で閲覧可能)が6300円、3万1500円分の利用料が含まれたミドルコース(約400本まで無料で閲覧可能)が1万5750円となる。いずれも1契約あたり3人まで同時に利用可能だ。
このほか、記事の検索1回あたり10.5円、1記事の本文閲覧ごとに52.5円〜315円かかる。
また、朝日新聞社の知恵蔵のデータを閲覧する場合には別途月額315円必要。時事通信社が提供する官公庁情報や専門7誌の情報は、見出し1本あたり5.25円かかる。
朝日新聞社デジタルメディア本部本部長の田仲拓二氏は「もっと安く記事データベースを使えないか、という声を多く聞く。そこで我々は思い切った価格を提示した」と話す。競合となる日本経済新聞社の日経テレコン21は月額基本料が8400円、見出し1本あたり5.25円から、記事本文1本あたり52.5円から。ジー・サーチのG-Searchは法人契約の場合基本料金が年額3150円、見出し1本あたり5.25円から、記事本文1本あたり52.5円からとなっている。
インターネット上では無料で閲覧できる情報も数多いが、「(インターネット上の情報は)その情報が確かであるかどうかを自分で確認しないといけない。きちんとした情報源を持つものを、保証して提供するところにコンテンツの価値がある」(朝日新聞社)との考えだ。また、検索ごとに課金するのは「膨大な量の検索をされるとシステム負荷がかかるため」(朝日新聞社)と説明した。なお、キジサクの場合、通常記事であれば見出しの閲覧は無料となっている。
各社はそれぞれ日経テレコン21やジー・サーチにも記事を提供しているが、これについては今後も変更はないという。キジサクの事業は3年後に年間売上高5億円、導入社数5000社を目指す。損益分岐点を超える時期については明らかにしていない。
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